鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその111~鬼平犯科帳29

2006-09-20 08:56:40 | 鬼平
今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート29、「鬼平犯科帳」Who's Who パート3です。

「鬼平犯科帳」Who's Who からこれまでに2度引用させていただきました。
つい最近も引用させていただきましたので、当分別の話題でいこうと思っていましたが、9月18日付のWho's Whoハイライトだけはどうしても感想を述べたく、またまた引用させていただきました。

表題は「平蔵の練達の人あしらい」。
池波正太郎が描く鬼平は見事な人心掌握術をみせますが、実在の平蔵も人心掌握術に長けていたことがこの研究からうかがえます。
いつもに増してこれ程までに調べ上げ感服するばかりです。
詳細は本文を読んでいただくとして、論旨は次の通りです。

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その1。町役人が逮捕者を役宅へ連れて行くと、煙草や茶をふるまって休息させ、蕎麦の出前までとってくれた。

その2。平蔵は「十手をみだりに抜かないように」と組の者へ申しつけ、拷問もほとんどやらなかったため、「町奉行所の手にかかるよりも、慈悲深い長谷川さまの手にかかりたい」と自首してきた盗賊までいた。

その3。新聞もテレビもなかった時代に、平蔵は密偵たちにいいつけて、自首した盗賊への温情や十手の使用制限などを盗賊たちの耳へとどくように計った。

長谷川組の検挙率が平蔵の前後の火盗改メよりも抜群に高かったのをみても、平蔵の目論見はけっこう成功していたといっていい。

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情報戦略なんて言葉のない頃なのに、平蔵はまるで一休さんのような知恵者です。
その昔、ドイツでジャガイモが爆発的に普及した逸話を思い出しました。

寒冷でやせた土地ばかりのドイツで国民はいつも食料に窮していました。
王様はこの地でも栽培が可能なジャガイモを一刻も早く普及させたいと考え、一計を案じました。
王様専用の広大な畑でジャガイモを栽培し、大きな立て札を立てたのです。
その立て札にはこう書いてありました。
「このイモはこの地でも十分育ち、しかもとても美味しいので、国民が食べるのを禁ずる」
するとどうでしょう。瞬く間にドイツ全土にジャガイモ栽培は広がり、食糧事情は改善されたのです。

これも人の心理をうまく突いた一種の情報戦略ですね。

これからも「鬼平犯科帳」Who's Who (http://onihei.cocolog-nifty.com/edo/cat5678244/index.html) で勉強させていただくのを楽しみにしています。
コメント
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