鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその65~竹鶴政孝17

2006-07-22 18:52:58 | 竹鶴
今回のお気に入りは竹鶴政孝パート17、カフェ式連続式蒸溜機です。

カフェ式連続式蒸溜機はニッカの品質へのこだわりの象徴です。
一般的にウイスキーはモルトウイスキー3割、グレーンウイスキー7割の割合でブレンドして作られるそうです。
昭和37年「ウイスキーの7割を占めるグレーンウイスキーをおろそかにして、本場のスコッチウイスキーに勝てるか!」と竹鶴政孝に檄を飛ばした人物がいました。
その人物は朝日麦酒の社長であり、ニッカの相談役であった山本為三郎です。
山本は40年も前にスコットランドで勉強してきたウイスキー作りについての日記を竹鶴に見せました。
そこには「カフェ式連続式蒸溜機」によって作られるグレーンウイスキー、カフェグレーンについて詳しく書いてありました。
カフェグレーンは穀物の香りを十分残したグレーンウイスキーであり、モルトウイスキーとブレンドするにはカフェグレーンでなければ本物の香りは出せない、と書かれていました。
資金繰りが厳しいと渋る竹鶴に対し、当時のお金で10数億円を出資しカフェ式連続式蒸溜機を導入させたのです。
これによりニッカは本場スコットランドのメーカーと対等の装備を有する事ができました。
現在ではカフェ式連続式蒸溜機はスコットランドでもほとんど見られなくなったそうです。
ちなみに、ニッカが現在も使っている石炭焚きポットスチルもスコットランドではほとんど見られなくなったそうです。
カフェ式連続式蒸溜機と石炭焚きポットスチルという100年前の伝統的な方法でウイスキー作りをしているのは、世界ではもうニッカだけかもしれません。

竹鶴政孝と山本為三郎という二人の豪傑の運命の出会いが今日のニッカを作る礎になっていたのですね。


素人考えで「たかがグレーンウイスキー」と考えていたのが申し訳ないです。
ニッカの品質へのこだわりを強く感じたエピソードでした。
コメント
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