元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

親は何をしていたのか(イジメについて)。

2012-07-16 07:09:10 | 時事ネタ
 滋賀県大津市で中学2年の男子生徒がイジメを受けて自殺した事件、イジメの非道さに加え、事実を隠蔽しようとした学校当局や教育委員会、あるいは被害届を門前払いした警察などの杜撰な姿勢が明るみに出つつある。これらは徹底的に究明しなければならないことは、言うまでもないだろう。

 しかし、この事件について個人的にはどうも腑に落ちぬところがある。それは、被害者の親はいったい何をやっていたのか・・・・ということだ。

 息子が自殺を考えるほど追い込まれまで悩んでいることに、どうして気が付かなかったのか。聞けば、事件の3日前にイジメっ子どもが家にまで押しかけ、部屋の中を荒らして金品を奪ったらしい。これは立派な“犯罪”ではないか。最低でもこの時点で親が何らかのアクションを起こしていれば、悲劇は防げたのではないか。子供が犠牲になってから被害届を出しても遅い。

 よく“最近のイジメは質が悪い”というセリフを口にする大人がいるが、イジメなんてものは古今東西あったわけで、今更“イジメは犯罪だから良くない!”というシュプレヒコールを上げるだけでは何もならない。学校のセンセイなんて昔からイジメに対しては無力だし、教育委員会や警察はもっとアテにならない。結局、イジメに対峙しなければならないのは、本人と親なのである。

 ひょっとして、今回の被害者とその親には“イジメに遭うのは(自分が弱いことが明らかになるという意味で)恥ずかしい”という意識があったのではないだろうか。本人はその“恥ずかしいこと”を家族に打ち明けられず、親は子供が“恥ずかしいこと”に遭遇しているとは思いたくはなく、事実を正面から見据えないままに取り返しの付かない事態になってしまったのではないか。

 普段から親が“誰だってイジメの被害には遭う。恥ずかしいことではない。だからイジメられたら遠慮無く打ち明けろ”とでも言っておけば違った結果になったのかもしれない。子供が“イジメられていて辛い”と言えば“本当に辛かったら学校に行く必要は無い”とアドバイスできるような姿勢を親が見せておくべきだったと思う。

 もちろん、子供がイジメに苦しんでいることに気がつくような、親としての洞察力が不可欠であることは言うまでもない。

 繰り返すが、今回イジメに荷担した奴をはじめ、事なかれ主義の教師連中や教育委員会、警察の及び腰などは糾弾されなくてはならない。ただし、そんな“加害者側に対する非難”ばかりが先行しても、イジメ問題は解決しないのだ。大切なのは、現時点で手酷いイジメに遭遇している生徒達を救うことである。その役目を担うのは学校でも警察でもなく、親なのだ。

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