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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「リンガー! 替え玉★選手権」

2007-05-30 06:45:52 | 映画の感想(ら行)

 (原題:THE RINGER)ケガをした友人の治療費を工面するため、知的障害者のフリをしてスペシャル・オリンピックスに出場し、それをギャンブルのネタにして大金を掴もうとする・・・・という、とんでもないバチ当たりな設定の映画だが(爆)、これが殊の外面白い。少なくとも、懸念されたような“障害者差別を助長するネタ”は皆無に近く、後口さっぱりの明朗喜劇に仕上がっている。

 監督はバリー・W・ブラウスタインなる人物だが、これは製作担当のピーター・ファレリー&ボビー・ファレリーの映画だろう。確かに彼らの映画は下品である。しかし、社会的弱者を頭から否定するようなネガティヴな笑いとは無縁だ。

 反面、障害者だろうと何だろうと、高慢ちきな奴や手の施しようもない勘違い野郎に対しては容赦しない。本編でそのターゲットになるのは、傍目からはとても障害者とは思えない6連覇中の現チャンピオンと、主人公と仲良くなるボランティアの若いねーちゃんの婚約者でありながら別の女と二股かけている軟派野郎だ。特に後者は、いわば健常者と障害者との“二股”をかけている主人公とネガとポジの関係になっていて、このあたりの設定は面白い。

 題材が題材なだけにギャグのお下劣度はいつもより幾分控えめだが、健常者と知的障害者とのギャップをネタにした笑い・・・・というか、健常者が彼らに対して抱く先入観と実態との落差を強調したギャグはけっこう効果的だ。それどころかファレリー兄弟にしては珍しく“ソフィスティケーテッド”されたような面も感じられるのは実に玄妙である(笑)。

 一応スポーツ映画としての体裁を取っているので、そのルーティンをしっかりなぞっているのは好感が持てるし、最後の試合結果のオチも“よく考えたなァ”と思うほど気が利いている。

 主演のジョニー・ノックスヴィルは気のいいアンちゃんを熱演。ギャンブルをもちかける叔父役のブライアン・コックスの海千山千ぶりも楽しい。そしてヒロインに扮するキャサリン・ハイグルはアメリカの女優にしては珍しい(失礼 ^^;)爽やかな美人だ。
コメント (2)
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