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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ザ・ロック」

2007-05-29 06:51:20 | 映画の感想(さ行)
 (原題:THE ROCK)96年作品。米海兵隊の歴戦の勇者だった准将(エド・ハリス)が仲間と共に軍の化学兵器倉庫を襲撃。大量殺戮が可能な毒ガスを持ち去り、アルカトラズ島に篭城する。政府に対し多額の金銭の要求をし、拒否すると化学兵器を登載したミサイルを西海岸の主要都市に打ち込むと脅迫する。政府側はFBIの化学兵器スペシャリスト(ニコラス・ケイジ)と現在拘留中で唯一アルカトラズ島から脱獄することのできた元イギリス情報部の工作員(ショーン・コネリー)を中心とした特別部隊を編成して島に送り込むが・・・・。はっきり言って、私としてはどうしても評価できない類の映画である。

 まず、悪役がこういう行動に出た理由というのが無茶苦茶だ。“ベトナムや湾岸で非合法の特殊ゲリラ活動を政府から要請され、その任務の途中で多数の戦友を失い、救援活動もロクにせず、犠牲者の遺族に補償もしなかったから、強行手段に出た”というもの。私はこれを聞いてズッコケたね。国際法に違反するようなことやっといて何が補償だよ。違法なこと強要されて何も見返りがないからテロ起こすのか? それはテメエらと政府の問題ではないか。一般市民を人質に取る権利がどこにあるんだ。これが狂的なテロリストの仕業なら納得するが、いやしくも皆の尊敬を集めた(らしい)軍のエリートがやる必要のあることか? マスコミに告発した方が効果あるんじゃねえの? これをいかにも“悪役にも三分の理がある”とばかりに共感を持たせようとしていること自体が気にくわない。それは唾棄すべき、歪んだ愛国心だ。

 “007のなれ果て”みたいなS・コネリーの登場は面白いけど、こいつが娘に会いたいがためにシスコ市内を派手なカーチェイスで壊して回るなんて展開には閉口した。アクションのためのアクションでしかなく、しかも不必要に長い。

 アルカトラズ島に舞台を移してからは可もなく不可もなしの話が続き、予想通りのラストが待っている。トボけた感じのN・ケイジは悪くないが、それを活かすエピソードが用意されていない。アクション場面は派手な割に段取りが悪く、暗い場所での活劇が目立つため概要がつかめずイライラすることも多い。そして何より2時間15分はこのネタとして長すぎる。とにかく観て疲れるだけのアクション編だった。
コメント
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