元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

しばらく休みます

2006-02-10 18:07:39 | その他
 引っ越しのため、たぶん一週間ばかり更新できなくなると思います(引っ越し先の光ファイバの工事日程が未定なので・・・・^^;)。

 それではよろしく ->ALL。
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「プライベート・ライアン」

2006-02-10 07:09:55 | 映画の感想(は行)
 (原題:Saving Private Ryan )98年作品。とてもよく出来た戦争アクション映画だと思う。ほとんど「コンバット」だ。これを“反戦映画の秀作”みたいな持ち上げ方をしている評論家っていったい何なんだろう。反戦だからいいのか? 好戦だからダメだと? 戦争が悲惨で避けねばならないことだというのは誰だって知っている。今どき“反戦じゃない奴”って世界中探してもそんなに多くない。反戦とか好戦とか、そんなイデオロギーじみたものを優先して作品を断定してどうするんだ。たかが娯楽映画に。

 さて、冒頭の大々的な戦闘シーンに話題沸騰であるが、確かに凄いと思う。ただ、スピルバーグにしては慣れないことをやってるなあという気も大いにある。大半が手持ちカメラの画面、しかもチラチラとした落ち着かない画像編集(?)がほどこされているため、臨場感はある。ただ、「プラトーン」やら「キリング・フィールド」のような切迫した印象は希薄(技術的な面はさておいて)。“ハリウッド得意のスペクタクル場面が展開してるなァ。金かかったろうなァ”というのが正直な感想だ。“冒頭のドキュメンタリー・タッチとその後の活劇っぽい展開に違和感がある”なんて評している批評家の文章も散見されたけど、じゃあ全編これ実録風にすればよかったのか? それで客が来るか? 言っておくが、これを作ったのはサメや恐竜や宇宙人の映画でひと山当てた奴である。アンジェイ・ワイダやオリヴァー・ストーンではない。評する相手を間違っているとしか言いようがないね。

 一人の二等兵を救い出すために将校はじめ8人の強者が活躍するという設定からしてもろフィクションである。「荒野の七人」や「ワイルドバンチ」と同じ次元である。こうなると“実はこの二等兵は大変な軍事機密を握っていて・・・・”みたいな筋書きにしたいところだが、それじゃウソっぽさが顕著になって、マーケティング上支障が出る(笑)。戦争の不条理をテイストとして盛り込む方か得策で、あまり内面描写がうまくないスピルバーグが監督することを考えれば、この映画の設定・ストーリーでOKだったんじゃないかと思う。つまり、実録物の雰囲気を前振りしておいて、実は活劇を前面に出すという方法は正解だったということだ。ヘンに映画の中心を“人物”に持ってくると、「シンドラーのリスト」みたいな大甘映画に終わる可能性もあったしね。

 戦争アクションとして見ると、これはもう楽しめる。クライマックスの橋の攻防戦なんてワクワクしながら観た。トム・ハンクスはじめ戦争映画っぽい面構えとはほど遠いキャスティングと、描写に少し「フルメタル・ジャケット」入っていた点は不満だが、まあ許そう。

 それにしても、ドイツ軍の兵器のディテールが考証されているのには納得した。ちゃんとタイガー戦車に乗っている。「バルジ大作戦」みたいに、アメリカ製シャーマン戦車にハーケンクロイツ付けて“ドイツ軍だよーん”と居直っている態度がないのは良い(笑)。スピルバーグは「太陽の帝国」での日本軍の描写がヒドかったので、少し心配したのだが・・・・。まあ、兵器オタクの皆さんからは“ここが違うぞー!”と細かいところの指摘が出るのかもしれんけど(笑)。
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