HAPPY MANIA

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『FABRICA:LES YEUX OUVERTS 将来を見据えた目』展

2008-02-03 22:07:01 | ☆ART☆
COLORS magazine 編集長のエンリコ・ボッサン氏は
ファブリカについて、こう述べている。

  ファブリカは春の雲なのだ。
  冬の後に透き通った青い空に浮かぶ、
  新しいことが始まる季節の、
  刺激的な夏の前の、
  期待と不安に溢れながらも常に新しいことに挑戦し続ける存在。





Shiodomeitaliaクリエイティブ・センターで開催されている
『FABRICA:LES YEUX OUVERTS 将来を見据えた目』展に行ってきました。

この展覧会は、
ベネトングループのコミュニケーション・リサーチ・センター
「FABRICA:ファブリカ」の展覧会として、
パリのポンピドゥー・センターで企画され、
パリ、ミラノ、上海と巡回し各国でも話題になったもの。


「FABRICA:ファブリカ」とは、
アパレルメーカーのベネトンが国際的クリエイターの
育成・支援を行っている機関です。
世界中から招かれたクリエイターたちは、
1年間にわたって奨学金と様々なプロジェクトで
作品を発表するチャンスを与えられるのです。





この展覧会では、ファブリカによって実現された
様々なプロジェクトの作品が紹介されています。


たとえば、『I SEE』

この作品は、6人の写真家が世界の6地域を旅して、
それぞれの地域を象徴するストーリーを写真で表現しています。

キューバとロサンゼルスに離れて暮らす家族や、
日本、コンゴ、アメリカの漁業に携わる人たち、
そこにある物事や、その物事を囲む人たちを写すことで見えてくる、
世界の国々が抱えるそれぞれの問題を垣間見ることができるのです。


『COLORS NOTEBOOK』は、
南アフリカの子供たちや知的障害もった方など、
普段は声を聞く機会の少ない人々に真っ白なノートが届けられ、
自由にメッセージを表現してもらうという試み。

そこには、
日常で見過ごされがちな「ひとりひとりの生の声」があります。
とてもパーソナルな抱えている問題や関心のあること、
言葉は分からなくても伝わってくる“何か”があります。





この展覧会の作品は、
「目を見開き、今世界で起きていることを見てほしい」という考えで
ピックアップされそう。
人権問題や地球環境の悪化など、
世界を取り巻く様々な問題を扱った作品から
私たちが掬い取るべきことは何なのでしょうか。


会場で見たVTRの中で、
イタリアの物理化学者であるエンゾ・ティエッティ氏が
語っていた言葉。

  花の美しさの意味の深さが
  学校や都市では見逃されている。

その言葉が、わたしにはとても重く響きました。


私達は、あまりにも先にある物事ばかりを見すぎて、
そこにできるだけ速く辿り着くことばかりを考えすぎて、
いちばん大切な「いま」を見失っていないかしら?

「いま」をもっと大切にしっかりと見つめることで、
「未来」はもっと輝くのかもしれないのに。






ファブリカには、
「今」も、「過去」も、「未来」も、
「ここ」も、「ここではないどこか」もあって、
それは様々な作品となり様々なベクトルで放たれています。

この展示会はきっと、
「知ることの入口」なのだとわたしは思う。

いくつもの違う目で捉えられた、いくつもの瞬間を、
この場所で私自身の目で見ること。
私自身の心で感じること。

それはいくつもの小さなスタートに繋がるような気がします。



 
『FABRICA LES YEUX OUVERTS 将来を見据えた目』
  2008年1月18日(金)~3月2日(日)
  Shiodomeitaliaクリエイティブ・センター



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