夜は千の目をもち千の目に監視されて生き継ぐ昨日から今日
詩人こそ抵抗の贄かにかくにレジスタンスの武器ぞ雨傘
読み返す『一九八四年』目の前にありてあらざるそのディストピア
夕汐の香こそ鼻孔にせつなけれ深川平久町春の宵
後楽園球場巨人国鉄戦見つつホットドッグを父と食みしよ
銀座線・東西線を東京の静脈として春のことぶれ
地下深く身を沈めてはなお深き次の地下駅めざす日乗
藤圭子自死の夏とぞ記しおく青きコーラの壜は砕けて
新聞に宰相Aのしたり顔玩具の猿がシンバル叩く
仁義なきスチール写真銀幕に死に死に生きる松方弘樹
(藤原龍一郎 202× 六花書林)
詩人こそ抵抗の贄かにかくにレジスタンスの武器ぞ雨傘
読み返す『一九八四年』目の前にありてあらざるそのディストピア
夕汐の香こそ鼻孔にせつなけれ深川平久町春の宵
後楽園球場巨人国鉄戦見つつホットドッグを父と食みしよ
銀座線・東西線を東京の静脈として春のことぶれ
地下深く身を沈めてはなお深き次の地下駅めざす日乗
藤圭子自死の夏とぞ記しおく青きコーラの壜は砕けて
新聞に宰相Aのしたり顔玩具の猿がシンバル叩く
仁義なきスチール写真銀幕に死に死に生きる松方弘樹
(藤原龍一郎 202× 六花書林)