「じさつした嫁とそつくりのべつぴんさん」京都駅前広場でいはれる
(西橋美保)
人の死はすべて孤独死今日も船消ゆるバミューダトライアングル
(八木博信)
三万日超ゆるあゆみか脹脛揉みほぐしをり冬至の柚子湯
(小川潤治)
晩年に入りしよろしさ足一本ふやして初冬の街に出でゆく
(古川アヤ子)
灯油の匂ひふいに過ぎりぬ夕べの道あなしづやかに冬が来てゐる
(小島熱子)
箱根蔵王湯布院別府 袋より取り出だしては湯の花さかす
(榊原敦子)
ねむるのが下手な母の血だんだんとわれに濃くなる木犀にほふ
(佐々木通代)
隣人は鈴好むらし鍵束の鈴は鳴りつつドアを開けいる
(村山千栄子)
いづこからいづこへ渡る鳥ならむ小さき形が群れなし過ぐる
(三井ゆき)
スーパーに買いてつましき秋刀魚二尾家近づけば銀とがりゆく
(川田由布子)
***********************************
短歌人1月号。同人1欄より。
西橋さんの一連、面白く読んだ。同人は七首掲載なので、何首かは載らなかったのだろうか。この人の歌にある毒に惹かれる。八木さんも毒のある歌を詠む人で、注目している。
右手より左手冷ゆる不可思議に文(ふみ)を書かむと便箋ひらく
(近藤かすみ)
(西橋美保)
人の死はすべて孤独死今日も船消ゆるバミューダトライアングル
(八木博信)
三万日超ゆるあゆみか脹脛揉みほぐしをり冬至の柚子湯
(小川潤治)
晩年に入りしよろしさ足一本ふやして初冬の街に出でゆく
(古川アヤ子)
灯油の匂ひふいに過ぎりぬ夕べの道あなしづやかに冬が来てゐる
(小島熱子)
箱根蔵王湯布院別府 袋より取り出だしては湯の花さかす
(榊原敦子)
ねむるのが下手な母の血だんだんとわれに濃くなる木犀にほふ
(佐々木通代)
隣人は鈴好むらし鍵束の鈴は鳴りつつドアを開けいる
(村山千栄子)
いづこからいづこへ渡る鳥ならむ小さき形が群れなし過ぐる
(三井ゆき)
スーパーに買いてつましき秋刀魚二尾家近づけば銀とがりゆく
(川田由布子)
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短歌人1月号。同人1欄より。
西橋さんの一連、面白く読んだ。同人は七首掲載なので、何首かは載らなかったのだろうか。この人の歌にある毒に惹かれる。八木さんも毒のある歌を詠む人で、注目している。
右手より左手冷ゆる不可思議に文(ふみ)を書かむと便箋ひらく
(近藤かすみ)