「自分の頭で考える読書」とは何か?がテーマ。
「問い」を持って本を読むこと。どの本も持つ「問い」と「答え」探し、自らも読みながら「問い」を持ち、読み終わって「問い」を持つ。「問い」が、他人の頭ではなく、自分自身で考えることにつながり、読書が生きる力となる。「問い」を軸に、単なるテクニック論に終わらない、誰もが実行できる実践的読書論だと感じた。
著者自身のお勧め本を例にとりながら、実例が示されるのも嬉しい。私自身、読む前に自分なりの問題意識をもって読むようには心がけているつもりだが、著者の問いと答えを読み取るという視点は新鮮だった。
読書法についての書籍は時々手に取るが、本書は私の感覚にも合いつつ、新しい気づきを与えてくれた。いくつか、備忘に抜粋。
・コンテンツだけでなく「本を読むコンテクスト(文脈)」にも注目する(p66)
・本の選び方。本が提示する「問い」が自分にとって「新しい」か「既知」か?そしてその本の答えが「新しい答え」か「既知の答え」かで、4分類できる。(新たな問い×既知の答えは無いとして)3つのカテゴリーのバランスを取って読む。(p81)
・「つまり~」「例えば~」で、「問い」の往復を行う(p130)
・読書の時間が不足しているというのは、事実かもしれないが、それは時間の使い方の優先度の問題だ。優先順位の軸を変えればよい。(p170)
・「読書は役に立つか?」という問いに意味はない(p176)