N響、原田慶太楼さん指揮による11月演奏会に行きました。原田さんの指揮は初めてです。コロナ禍で外国人指揮者が来日できないこともあり、日本人若手指揮者の出番がどんどん増えてますね。これもコロナ禍の不幸中の幸いのできごとの一つでしよう。
今回の座席は、普段あまり購入しないオーケストラの斜め後ろ側の席(丁度、第一ヴァイオリンの後あたり)。芸劇のこのエリアは初めてだったのですが、とっても良いですね。値段が手ごろなうえに、オーケストラが近く音圧がダイレクトに感じられるし、指揮者の表情や指示が手に取るようにわかります。
冒頭の「航海」は初めて聴く曲。管弦楽だけの音楽ですが、海原の大きさや波を感じる綺麗な曲でうっとりです。
2曲目はヴァイオリン独奏神尾真由子さんによるバーバーのヴァイオリン協奏曲。神尾さんのヴァイオリンを聴くのも初めてで、薄オレンジ色のドレスに身を包んだ神尾さんの演奏は、堂々としていて、とっても力強く、芯のある音でした。アンコールは、エルンスト/シューベルトの「魔王」による大奇想曲(後で曲目は知りました)。こちらもとんでもの超絶技巧であるようにお見受けしました。とっても綺麗な方であるのに加えて、姐御的な度胸と気っぷの良さを感じます(本人のことを全く知らずに書いてますので、外れていたらごめんなさい)。ただ座席の関係上、殆どが後姿で、舞台袖に引き上げる時しかお前姿は拝見できず残念。
休憩後はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」。学生時代からレコード(!)・CDで幾度と聴いていますが、実演に接したのはさほど多くありません。前回は2014年のN響、デュトアです。原田さんの指揮はとってもクリアで聴きやすい。所々、テンポや強弱を揺らしますが、自然体です。第2楽章の池田昭子さんのコールアングレの音色は自分自身が音楽の吸い込まれるような感じでした。畳みかけるような第3,4楽章はオーケストラの熱量と集中力を強く感じるもので、その音圧を体で受け止める快感はステージ近くの席ならではです。痺れる体験でした。
会場は密回避のため両隣を開けてお客さん入れてますから、満員の半分以下しか聴衆はいませんが、満員並みの大きな拍手に包まれました。ちょっと意外だったのは、いろんな奏者が個別に立たされ称賛を浴びる中、私にはとっても活躍していたように見えたトロンボーンやトランペットにはお呼びがかからないまま。どうしてなんだろうと、気になってしまいました。
11月の若手指揮者に代わって、12月は井上さん、秋山さんの日本人重鎮指揮者が登壇します。こちらも楽しみです。
NHK交響楽団 11⽉公演 東京芸術劇場
2020年11月20日(金)開場 6:00pm 開演 7:00pm
東京芸術劇場 コンサートホール
コリリャーノ/航海
バーバー/ヴァイオリン協奏曲 作品14
ドヴォルザーク/交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界から」
指揮:原田慶太楼 指揮:原田慶太楼
ヴァイオリン:神尾真由子
【本公演のアンコール曲】エルンスト/シューベルトの「魔王」による大奇想曲 作品26(ヴァイオリン:神尾真由子)
NHK Symphony Orchestra November Concerts at Tokyo Metropolitan Theatre
Friday, November 20, 2020 7:00p.m.
Tokyo Metropolitan Theatre
Keitaro Harada, conductor
Mayuko Kamio, violin
- Corigliano / Voyage
- Barber / Violin Concerto Op. 14
- Dvořák / Symphony No. 9 E Minor Op. 95 "From the New World"