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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

特別展「ご臨終~江戸時代の死・病・あの世」 と府中郷土の森博物館

2020-02-23 07:30:00 | 美術展(2012.8~)

「江戸時代の府中に暮らした人々の残した史料から、当時の死生観を探」るという面白そうな特別展が開かれていると知って、府中郷土の森博物館を訪ねた。多摩川沿いにあるので、長距離ランニングの際に近くを通ったことはあるのだが、博物館の訪問は初めて。(車なら中央高速道の国立・府中IC下車、電車なら京王線の分倍河原駅か府中駅からバスが出ている。)

展示は大規模なものではないが、地元の史料を使った興味深いものだった。江戸時代以前から始まって、「死」「葬式」「病」「死後の世界」などへの人々の考え、向き合い方が紹介される。もちろん時代による変遷はあるものの、むしろ現代との共通項や連続性を感じるところも多い。例えば、江戸時代のある庶民の葬式の一連の流れを示す史料の展示があるが、死後から葬式、初七日、四十九日等の一連の営みは現在と大きくは変わらない。ほかにもコレラに対峙する人々の姿は、コロナウイルスと向き合うわれわれ現代人と被る。


<展示室の様子。中央の甕は遺体を埋葬用に遺体を入れる甕>


<釈迦如来の像>

この郷土博物館、常設展も充実している。市の名前の由来が、律令時代の武蔵の国の国府(「府中」)からきていることもあり、律令時代からの歴史が外観できるように上手く展示がされている。市の博物館としては驚きの量と質である。

さらに、博物館の外は、ちょっとした庭園になっていて、ここも楽しい。昔の古民家や再生された歴史的建造物が配置されている。園内には小川が流れ、梅林がある。ちょうど、梅まつりが開催されていて、白、赤の花々が綺麗に咲いていた。天気が良ければもっと花の色が映えただろうが、ゆったりした時間を過ごすことができた。

「お葬式」展、梅まつりともに3月8日まで。東京都下の散歩先として、とってもおすすめです。

(おわり)

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