リチャード・カーティスの脚本、ネタがビートルズということでは見ないわけにはいかない。
物語はリチャード・カーティスらしい、現実的には(きっと)あり得ない物語。売れないミュージシャンがビートルズが存在しなかった世界にスリップし、ビートルズの曲を歌ってセンセーションを巻き起こす。そんな騒動の中で、成功、誠実さ、愛が描かれるラブ・コメディアだ。
『アバウト・タイム』同様、時間のずれを活用したあり得ない話なのだが、なぜかそこで白けることが無い不思議な魅力に満ちている。登場人物に感動移入が容易だし、流れる音楽は全部知っていて、好きなビートルズの楽曲ばかり。ビートルズが存在しなかった世界なって考えてもみなかったけど、この作品を通じて、そんな世界がどんなに味気ないかに気づかされる。
主演のヒメーシュ・パテルは初見だが、朴訥とした誠実な青年を好演していた。ヒロインのリリー・ジェームスもカーティスのラブコメディにマッチした献身的で控えめな女性役が嵌っていた。エド・シーランが本人役で出ているのも面白い。
カーティスの世界(「ブリジッド・ジョーンズ」「ラブ・アクチュアリー」「アバウト・タイム」等)が好きな人には、間違いなくお勧め。
監督ダニー・ボイル
製作ティム・ビーバン エリック・フェルナー マシュー・ジェームズ・ウィルキンソン バーナード・ベリュー リチャード・カーティス ダニー・ボイル
製作総指揮ニック・エンジェルリー・ブレイジャー ライザ・チェイシン
原案ジャック・バース リチャード・カーティス
脚本リチャード・カーティス