バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

じわじわ沁みる『MINSTREL / スーマー』傑作です。

2014-10-28 | 音楽

スーマー。酒場でのLIVE、いわゆるBAR LIVEというものに足を運ぶ人たちの中では有名人。実際に聴いたことがなくってもBAR LIVE界隈を歩いていればどこかでこの名前には出会う。「どんな人なんだろう?イイらしいよ」そんな人たち、それどころかこれまで名前も知らなかった人たちの耳にも届くであろう、地味ながら注目を集めているこのCD『ミンストレル』。バイユーでヘヴィローテーション中です。

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バンジョーとギターを抱えて語りかけるように歌うスーマーさん。字面的にどぎついことを歌うわけでなく、シャウトもしない。聴き手の感情に強く迫ってきたりもしない。そんなことをしなくとも心に入り込んで来るあたたかくて強靭な歌を届けてくれる歌手です。
これまで音源は聴いていたので、意識したことはなかったのだけど実はこの作品が正式にCDとして広くリリースされる初めてのもの。齢50にしてリリースされる記念すべきファーストアルバムなのです(これまでの作品は自主制作のCD-R)。「遠回りしたらこうなった」。メディア等でセンセーショナルに扱われて名を広げてきたわけではなく、地道なLIVE活動によって着実に蓄えて来た認知度。様々な端末でヘタすりゃ無料で音楽聴き流すという時代にあって、酒場に音楽を聴きに集まる実直な音楽好きに求められてきたスーマーさんの存在はパブロック的であるように思います。
…先ほど「バイユーでヘヴィローテーション」と書きました。もちろん嘘ではないのですが、実は営業中以上に閉店後片付け中の店内に流れることの多いこのアルバム。沁みます。じわじわきます。購入するのが遅れていたらA山さんから「聴かせてやる」とCDを差し出され「買うので結構です!」と言ったのに「とりあえず3曲目タイトル曲だけ聴いてみな」と。まぁ自分が大きな音で聴きたかったのですね。
そんな風にして聴いたタイトル曲ミンストレル…キラーチューンです。個人的には他にもお薦めの曲が沢山。
ミンストレル、吟遊詩人というタイトルに相応しい手触り。これからの季節に是非。