バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

長谷川&粟生両選手素晴らしかった!

2009-03-13 | ボクシング

観ましたか?観ましたか?観ましたか?プロボクシング、世界タイトルマッチ!?
素晴しい二試合、非常~に堪能しましたよね?
「観ていない」という方は長谷川選手の僅か1R、芸術的ですらあった防衛戦だけでも非合法な●outubeでご覧になることをお薦めします。

ではまずはフェザー級タイトルマッチ…。
しかし!粟生選手のボクシングには驚きました。メキシコの名王者ラリオスと堂々と渡り合い、最終回にはダウンも奪う大差での王座奪取。開始早々主導権を握ると冷静に戦況に対応、劣勢を感じた王者の接近戦に応じるとそれをも制し終始、距離の主導権を握り続け完勝しました。昨年の初挑戦時に「化けた?」と書きましたが(バイユーブログ2008年10月17日)本当に「大化け」した姿を見せてくれました。アマチュアの名選手にありがちと言われる消極さと線の細さを感じさせることもあった粟生選手でしたが昨日の立ち姿にそんなところは微塵も見受けられませんでした。強烈なダウンを奪った後冷静さを欠いたと評された前戦の経験からか、圧倒的にリードを奪いながら各ラウンド終了時に手を挙げて観客にアピールすることもなく、それどころか興奮する場内とは裏腹に怖いほどクールに落ち着いていました。終盤に1度、右のカウンターを被弾した以外はまさに完勝。20090312 判定結果が読まれる前にラリオス選手が新王者の手を挙げ祝福したのが印象的でした。流石!名チャンピオン。
…思えば一時は「西のカメダ、東の粟生」なんて言われたこともありましたが~大きく違う道を歩んで、まったく違うところに到達しましたねー。外国人ボクサーとの対戦ルートを選び、圧勝を続け上?を目指したカメダ兄に対し、後楽園ホールで日本のボクサーと地道にハード路線を歩んだ粟生選手。そのキャリア初期の相手はたとえ無名でも皆、友人や家族、応援団の前で「有名な粟生を食ってやる」と死にものぐるいで向かってきました。粟生選手が圧倒していても「ダウンだけはしたくない」「意地でも最後まで立っていたい」という彼らと時に泥臭く戦わざるをえず、圧勝の連続とはいきませんでした。日本タイトルまでも時間をかけ筋金をいれる姿に(榎洋之選手との大勝負もありました:バイユーブログ2008年4月8日)いくらなんでも慎重すぎるかな?とも思いましたが、そういう経験があっての今、なのでしょう。いよいよ世界戦線に躍り出てここから「天才」がますます発揮されてくることを期待します。試合後のヘロヘロの号泣には驚きましたが、名門帝拳ジムに浜田剛史さん以来22年ぶり?の生え抜き世界王者が誕生した名勝負でした。

そして長谷川チャンピオン!世界1位の強豪マリンガ選手を1Rでノックアウト!!これにはシビレました。かなり前から「次の指名試合で当たるマリンガは凄い」と評判であった強敵を一蹴。200903121rkov8
カウンターの左ストレートで相手が吹っ飛んでいくほどのダウンを奪うと、連打で更に2度目のダウン。そのあとの詰め、左をクロス気味に相手の耳の後ろ当たりに決めたパンチはすごかった!これでダメージを奪い、最後は右からつなげて左のクロスカウンターで倒して試合終了。3通りのダウンを奪ってのTKO勝利。繰り返し言いますが「シビレました」。あんなクロス、マンガじゃあるまいしテレビでなかなか見られるものじゃぁありません。凄い、のひと言。遠く南アフリカからやってきたマリンガ選手はいいところなく敗れて呆然という感じでした。この3分足らずは何度も見るだけの価値ある内容でした。

と、いうように昨日書いた通り、それ以上の本物のボクシングに大いに満足した昨夜のバイユーゲイトでありました。もちろん、終了後は近田の下で真面目に働きました。

最後に!素晴らしかった昨日の2試合、最も大きな要因は対戦相手が強豪選手だったからこそなのです。そこ!ですね。