環境に優しくない表現効果（２）

同じ様に、Outdoorで受賞した表現が、パンダ、ペンギン、アザラシ。「環境に優しい二酸化炭素を抑えたエコカー」が表現コンセプトだろう。地球温暖化で絶滅が危ぶまれる動物達。それを守るのがFiat。パンダを乗せたユーモアー表現ではない。パンダにも安全な。ペンギンにも安全な。そしてアザラシにも安全な。「環境対策車　FIAT」「真面目に。したたかに、そしてブラック（しいていえばユーモアー）に。」環境＝絶滅が危ぶまれる動物達を守る為のネガティブ表現。動物達に優しい　エコ表現だけが表現ではない。一歩踏み込んだ動物に優しい表現。米国と欧州と比較すると、広告表現には差がある。暗喩や比喩、不条理など。アイディア表現の妙は奥が深い。

環境に優しくない表現効果（１）

FIAT - Crash Test Panda

FIATがカンヌ広告祭でFilm部門,Outdoor部門で金賞を受賞した。
車の衝突実験、乗っているのはパンダだ。Fiat Pandaだからパンダを起用した。これではダイレクト表現過ぎるし、そんな事でカンヌ金賞等取れる訳がない。パンダ虐待ではないのか？とか、動物愛護団体からクレームは来ないのか？
作り物だから大丈夫だろう。このようなコメントがあるが？そうではない。そう言えばWWF(World Wide Fund for Nature/世界自然保護基金)のマークがパンダだ。表現の裏にはちゃんとしたコンセプトワークがある。

スポーツへの熱中度(2)

Nike Paper Battlefield




Battlefield だから、競争心を高める意味であろう。バスケットボールプレーヤーのシルエットを幾つも重ね刷りしたシルク印刷（多色刷り）のポスターをハンドメイドで350枚作成した。実際　このハンドメイドポスターが、人気となり、ウエッブでも、有料ダウンロードサイトもある。世界にブランチを持つワールドワイド　エージェンシーは、その国の国民性も考え、インボルブしていく事が巧い。日本の広告代理店の弱さはここだろう。国内に強いが、海外には弱い。やはり、共通語が英語である事もその要因かも知れない。

スポーツへの熱中度(1)

yi jianlian nike commercial chinese basketball phenom

昨年の中国オリンピック中継で、中国国民がどれだけスポーツに熱中する国民なのかを知った。サッカーにしても、他の競技にしてもその熱さ故の「マナーの悪さ。」や「敵対心が異常に強い」中国の国内リーグ(CBA)自体も人気が高いとのこと。
ロケッツvsバックス戦では、ヤオミンとイージャンリャンの中国人対決が
見れるという事で、中国全土で2億人がテレビで試合を視聴したらしい。なにしろ、人口が多いからそれは凄い、スポーツマーケットにもなる。
ナイキ　香港Nike Paper Battlefieldがカンヌ広告祭 デザインライオンを受賞した。

チョコの新マーケット開拓(2)

チョコのエールパッケージも良く出来ている。そのまま、送れるところが良い。「バレンタイン＝チョコレート」に新しい商戦時期を作った。そして購入ターゲット層は更に広がる。値段的にも送る事が出来る。懐がそう痛まない。でも貰った受験生は「嬉しい」だろう。
ところで、このキャンペーンはウエッブサイトでの展開はあったのだろうか？
なかったとしたら、残念だ。国内は何故か。メディアミックスが少ない。KitKat スルーザブレイクの音楽ダウンロード付きは面白いと思うが。
来年は是非　東大　京大　早稲田　慶応等、受験生にあわせた展開を企画してみてはどうだろうか？（勝手に言いたい放題ですいません。）新しい菓子市場展開に期待は大きい。

真木準さんの訃報

昨日、先輩のコピーライターの方からお電話を頂き、真木準さんの訃報を知りました。（６月２４日）。TCC を退会してから情報網も薄くなってしまいました。
「でっかいどお。北海道」「恋を何年、休んでますか。」等、真木流ひと味違う言葉遊び。真木さんとは３つのクライアントをお願いした事があります。
真木さんは、ご自身の本命キャッチーコピーと代理店勤務の経験がありましたから、代理店の立場を考えて押さえを何時も用意してくれてました。
真木さんにしか、書けないコピー。勉強になりましたし、励みにもなりました。良い意味、一流のコピーライター、的を得た演出家、カメラマン、プロダクションのプロデユーサー、美術等、皆若い頃の自分を育ててくれました。
クライアントに「良い物は良い」このスタンスを教えてくれたのは、真木さんはじめお世話になった皆様です。真木さんへ。「お世話になりました。でも早過ぎます。ご冥福をお祈り致します。」そして、先輩方へ。「とにかく元気で！」皆様元気でいてください。

チョコの新マーケット開拓(1)

北乃きい ネスレ キットカットCM キット、サクラサクよ。2009「じいちゃんのキットメール」篇(30秒)


カンヌ広告祭でメデイアライオン　グランプリをKIT KATが受賞した。
菓子市場で、チョコレートと言えば「バレンタイン」が、商戦の主役である。何時から始ったかは解らないが、２月１４日にあわせてこのシーズンだけチョコを販売する会社もあると聞いた事がある。義理チョコ、本命チョコ、これに加えて海外の有名ブランドチョコレートの参画で、バレンタイン商戦はチョコレートの熱い時期である。そこに「キットカツ！」「トンカツを食べると勝つ」とか、語呂合わせではあるが、受験生にエールを送る言葉。「キット、サクラサクよ。」新しい商戦時期を作り上げた。

Viral の虎視眈々(2)

Why so serious? - Case study



１年間とは念を入れた緻密なマーケティング戦略だ。各サイトで映画での登場人物、街がどのような状態になっているか。そこで映画を公開する。おおよそ１年に渡るキャンペーンで、ゴッサムシテイで起こっている事を現実化させていく。虎視眈々と上映公開を狙っていた。このバイラルマーケティングは、観客動員数を伸ばし、昨年ランキング　トップの映画興行4億9100万ドルだった。
メディアをどうミックスしていくか？ 昨年のバーガーキングのゲームからキングの御面が流行った様に、ジューカーの顔のメイク等、アメリカは国民的に好きみたいだ。（ノリがいいのだ。）海外と比べて、国内キャンペーンは何故か、巧いミックスは少ない様に思われる。

Viral の虎視眈々(1)

SFGAm ZONE - The Dark Knight Coaster Preshow

カンヌ広告祭　サイバーライオンを受賞した映画「The Dark Knight」 のキャンペーン。確か日本公開は昨年の８月頃だった。このキャンペーンの展開は映画公開１年くらい前から始っていたそうだ。それはWhy so serious?と言うウエッブサイトから始った。映画には触れず、パズルのようなサイト展開、鍵を手に入れるとジョーカーの顔がみられる。ファンが集まるイベント告知のスペースとしても使われた。ファンには劇中使用される小物が送られてきたりと、Dark Knightが、全米に感染していった。ゴッサムシティの警察署　ゴッサムタクシー　ゴッサムタイムス紙やゴッサム　ケーブル　ネット局等このゴッサムシティの幾つものウエッブがジューカーに「ぐちょぐちょにされていくのだ。
（表現は良くなくてすいません。）ティーザー広告は、例えば新車の発売日に合わせて、それまでは。車体をみせないCM告知をする。１年間とは念を入れた緻密なマーケティング戦略だ。

違和感のない映像革新とは (3)

Philips Cinema 21:9



Philipsのサイトではこのシネスコサイズの作品をオンデマンドで購入も出来るとの事らしい。日本のハイビジョンテレビは、技術力と周辺機器のアプリケーションでしのぎを削っているが、商品メリットをシネスコサイズにし、このウエッブ　ムービーで「新しい可能性を取り上げた」ハイビジョンテレビはデジタル放送を向かえ、立体映像配信を目指している。
まあ、凄い映像構成だが、映像技術構成のアイディアであって、今迄のフィルム部門グランプリとは毛色が違う。カンヌ全盛時代の旧松下のロボット」や「ナショナルの灯り」のような根本的な「CMアイディア」は、そこには見当たらない。こうエスカレートしていくと、飛び出す立体映画やCMも出てくるであろう。（NHK技術研究所　他）でも忘れてはいけないのは、技術は技術であり、大切な事は、アイディアであり、構成であり、映画でいうシナリオ、CMでいえばコピー力」だと思うし、革新は目立たない方が凄いと考えこんでしまうのは、私だけであろうか。