日本膵臓学会のHPで
自己免疫性膵炎の診療ガイドラインが更新されました。
pdfファイルです。
自己免疫性膵炎の診療ガイドライン。
本文PDFをクリック。
68ページもあるので、まだ読めていません。(^^;;
1型と2型についても色々書かれているようです。
<追記>
重要そうなところのみ抜粋します。
2型が急性膵炎のような痛みがあるというのが興味深いです。
画像上も私の場合は、自己免疫性と被る部分が多いので
主治医が疑いを捨てきれないのもよく理解できました。
1)自己免疫性膵炎とは?
閉塞性黄疸で発症し、時に膵腫瘤を形成する特有の膵炎。
リンパ球と形質細胞の高度な浸潤と線維化を組織学的特徴とし、
ステロイドに劇的に反応することを治療上の特徴とする。
1型自己免疫性膵炎と2型自己免疫性膵炎の2亜型に分類される。
日本では主として1 型であり、単なる「自己免疫性膵炎」とは1型を意味する。
IgG4 関連疾患の膵病変とされる。
欧米に多い2型は好中球上皮病変を特徴とし1型とは別の病態である。
2)特異な症状
特異的な症状はなく、腹痛は無~軽度。
閉塞性黄疸,糖尿病症状,膵外病変による症状を呈することが多い。
2型自己免疫性膵炎では腹痛が多く、しばしば急性膵炎を伴う。
3)発見されるきっかけ
自覚的には,軽度腹痛,全身倦怠感,黄疸,口渇感などを契機に受診することが多い。
胆道系酵素の上昇,閉塞性黄疸,糖尿病などを指摘され、
膵癌や胆管癌との鑑別診断として発見されることが多い。
腹部超音波検査における膵腫大が発見のきっかけになることが多い。
4)血液生化学、免疫学的な特徴
血中膵酵素・肝胆道系酵素・総ビリルビンの上昇が多い。
血中IgG4 は血清診断法の中で単独で最も診断価値が高いが、疾患特異的ではない。
血中IgG 高値,非特異的自己抗体の存在は自己免疫性膵炎の可能性がある。
5)膵外分泌、内分泌障害の有無
約80%に膵外分泌障害を,約70%に膵内分泌障害(糖尿病)の合併を伴う。
6)超音波所見
“ソーセージ様”を呈する膵のびまん性腫大は、
自己免疫性膵炎に特異性の高い所見である。
7)特徴的なCT所見
びまん性あるいは限局性の膵腫大を呈し、
ダイナミックCT では遅延性増強パターンが特徴である。
被膜様構造を認めれば,自己免疫性膵炎である可能性が高い。
8)MRCPで主膵管の狭窄像がわかるかどうか
膵はびまん性の腫大を呈し、
ダイナミックMRIでの遅延性増強パターンが特徴である。
病変周囲を取り囲む被膜様構造は
病変辺縁部の強い線維化を反映しており、特異度は高い。
現段階では主膵管の狭細像の正確な評価には用いられない。
9)ERCP検査所見
特徴的な膵管狭細像が主膵管にびまん性、あるいは限局性に認められる。
自己免疫性膵炎では胆管狭窄を伴うことがある。
11)ステロイドの診断的治療は膵癌との鑑別に有用か。
ステロイド治療により反応する場合は自己免疫性膵炎である可能性を示唆するが、
膵癌合併を否定するものではない。
限局性腫大や腫瘤形成の場合には膵液細胞診や擦過細胞診、
あるいはEUS―FNA による悪性疾患の除外後に
ステロイドトライアルをすべきである。