数学なのでイメージだけでは話にならないとはいうものの、興味のきっかけにはなるかもしれないので、現在の私の理解を記録しておきます。もう少し詰めないと均質な計算はできない感じ。
微分幾何学の曲面論は元は3次元ユークリッド空間内の(ほとんど至るところが)なめらかな曲面(それ自体は2次元)が対象で、各地点の曲率を求めるのが第一段階です。ところが、曲率といってもガウス曲率と平均曲率があって、さらに次元が増えるといろいろな曲率(具体例は知らない)が出てくるそうです。
曲面上を移動する際に「まっすぐ」進もうとすると進路の線は測地線と呼ばれます。地球儀では大圏コースと呼ばれるもので、ユークリッド平面ならもちろん普通の直線で、ガウス曲率が-1の一定の双曲空間でも定義できます。そしてもちろん、ガウス曲率が場所により(なめらかに)変化する場合も。3次元以上でも「まっすぐ」進むと測地線上を進むことになります。
普通の曲面に戻って。測地線に沿って進む、と言っても、点のようなものが動くと考えると妙なことになるようです。よくある図ではベクトルが「平行移動」していると説明されます。私の考えでは、もう少し具体的なイメージの方が良くて、コンピュータグラフィックスではタートルグラフィックス、つまり亀が移動すると考えます。平行を考えるのならミニカーのようなものが考えやすいと思います。ハンドルが中立のまま、またはマテルのミニカーやトミカのような外力が加えられない限りまっすぐ進むもの。
そのミニカーの前方が接線方向で、地面が曲面ならまっすぐ進んでも3次元空間から俯瞰すると次第に直線からずれてゆきます。この差がリーマン曲率テンソルとのこと。
単に接線ベクトルを考えるだけならその説明で済みますが、おそらくミニカーの上方向の法線と右方向の陪法線と、後述する平面内の回転も考慮に入れているようです。法線の軌跡はベクトル束(バンドル)と呼ばれるようです。これも考慮したトポロジーが最近の話題のようです。
曲率一定では起こりませんが、場所によって曲率が異なる場合は、測地線が元の場所に戻ってきて、しかし角度が違う(回転している)場合が出てくるはずです。ここを確かめたい、さらにいろいろな条件でミニカーの軌道がどのようになるのかを知りたい、のが当面の目標で、軌道の表示のためのコンピュータプログラムを目下思案中、ということ。さらにできれば2次元の曲面で無く曲がった3次元空間内での測地線旅行を楽しみたいわけです。