写真紀行

日々の風景と将来に残したい風景を求めて

亀戸天神 - ;浅草橋 - 浅草散歩

2010-05-07 14:14:14 | 大江戸の風景

春の一日、亀戸天神社の藤を見た後、「鬼平犯科帳」、「剣客商売」などの時代小説で作家としての不動の地位を確立した池波正太郎が小説の舞台として描き、よく歩いたと言われる浅草橋から浅草雷門までをカメラを提げてたどりました。

亀戸天神の藤

江戸時代から藤の名所として名高かった亀戸天神です、今年は天候不順が影響してか例年に比べて開花が遅く4月末に満開となりました。

     
赤い太鼓橋と藤の紫のコントラストが鮮やかです

               
天神様に向かう参道は人の波で埋められていました     境内は紫色一色です

        
建設中の東京スカイツリーが藤棚越しに見えます                                                       歌川広重「名所江戸百景」亀戸天神の藤

浅草橋から浅草を歩く

浅草御蔵
江戸時代、幕府直轄地(天領)から送られた年貢米はこの地にあった米蔵に集められました。
集められた米は幕臣である旗本、御家人に給米用として年3回配られましたが、幕府からの俸給が米であった為、旗本、御家人は「札差」と言われる仲介業者に蔵米を担保として現金を借りるシステムでした。
札差は、江戸に109人と決められており高利で金を貸した為に莫大な利益を得ていた様です。
しかしながら高利に苦しむ旗本、御家人は慢性的な財政難にありました、老中松平定信は「寛政の改革」の一環として、彼らを救済する手段として札差に対し債権放棄、債務繰り延べの武士救済法令(棄捐令)を発しました。
結果として札差は大損害をこうむる事となりましたが、一方で旗本、御家人に対して金を貸さなくなり双方共に困難を極めた時代が続きました。


 
御蔵跡は現在、テラスとして整備され区民の憩いの場所となっていました           江戸時代、尾張屋が発行した切絵図(クシ形となっている所が御蔵)

首尾の松

墨田河畔に面する浅草御蔵の4番堀と5番堀の間に1本の松の木があり「首尾の松」と言われていたそうです。
いわくにについては諸説ありますが、隅田川を舟で吉原に向かう遊び人達がその日の首尾をこの松の木に祈願したと言うのがありますが
、一夜の夢を買いに舟に揺られて山谷堀に向かう遊び人の心情を思うとこの説に説得力がありそうに思われてきます
                                                              


浅草御蔵跡のテラスには歌川広重の「名所江戸百景」に描かれたプレートがありました
         No61 浅草川首尾の松御厩河岸ー江戸百景 歌川広重 The Hiroshige 100 Famous Views of Edoー

                                              

再び江戸通りに戻り駒形から雷門方向に向かいました。

途中には1801年創業の「駒形どぜう」、蕎麦の名店「並木藪」があります、他にも古色蒼然とした御蔵前書房、レトロ調の厩橋ワインホール、一時期を風靡した「たまごっち」のバンダイがありました。                                         


         

浅草寺駒形堂

駒形橋脇には浅草寺の本尊が隅田川から引き揚げられて安置されたと言われる
駒形堂があります

                                                      

金龍山浅草寺雷門

雷門に到着しました。
浅草も人の往来
は銀座、新宿や渋谷と同じですが、なぜかのんびりとした空気が流れています、仲見世を抜けて一歩裏手に入ると雰囲気が変わり下町の風情を色濃く残した顔を見せます、特に昔、奥山と言われていた辺りや伝法院通り界隈は他の繁華街には無い独特の賑わいを見せています。
現在、近くに建設中の東京スカイツリータワー目当ての観光客が増える事も予想されており、その存在感が一層顕著になってきています。

    

雷門前でキャラクターバスに出合いました、近くにある遊園地「花やしき」の送迎バスだそうです
  

 

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1 コメント

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 (リチャード)
2010-05-08 22:42:48
藤がきれいなところですね。もう終わりかけでしょうか。桜も藤も天候不順で例年の開花時期がずれていますね。友人が足利の藤を見てきたので、来年は私も足利の3つの色(紫、黄、白)の藤を写真に収めたいと思います。
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