京都発・町家・大工はんなり日記

京都で仕事と道具を楽しみながら毎日過ごす。

木組みの強さ。 錦帯橋 

2008-01-06 11:33:32 | 道具箱
木組みの強さ。 錦帯橋 

昨年、錦帯橋の棟梁海老崎粂次さんのお話を聞くことが出来ました。

お話しの通り見てみると木組みが持つ力強さと曲線で出来たこの橋の美しさは格別の物が有ります。

建物だけではなく川を渡る橋と言う大切な交通手段、これがなければ昔は大変だったというのが伺われます。それに飾り付けではなく構造材そのものの味を引き出しそれに力強さを加えた世界に誇れる橋です。

工事の後、何年かに一度の大雨に見舞われ橋脚が流されたそうです。その時の海老崎粂次さんのお話が忘れられません。夜中に電話が掛かってきたそうです。「橋脚が流された」その時棟梁は「そんなことで夜中に起こさないでくれ。流れるように作ってあるのだから」と言われたそうです。橋脚が流れて流木などが詰まって橋桁が壊れないようにしてあるそうです。

大工だけではなく誰が見ても心打たれる仕事がしてありました。

橋脚の石組みですがこれは滋賀県に穴太と言う所の石組みがしてあります。これまで遠い所の石組みをしてあるのですからこれもよほど橋脚には良い石組みなのでしょう。

そういえば親分、直井棟梁は福井城の橋を架けているとかそれも屋根付きの物で3月末完成だそうです。