愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

夏休みの課題

2014年08月07日 | 運営
8月に入り夏休みになりました。9月の半ばまで休みは続きます。以前よりは短くなりました。休み中,私は出張や校務を色々こなし,その合間に研究(原稿書き)をします。

さて,各学年のゼミ生には夏休み中の課題を言い渡しました。ここで確認します。

ゼミの4年生には,夏休み中,卒論を途中まで書いてくるよう指示しました。7月中旬に仮の目次を作成してもらったので,それに従って,書けるところを書くように指示したのです。後に目次を変更しても構わないので,仮の目次をガイドにして,作業を進めよという指示です。学部規定では,2万字以上の論文に仕上げなくてはならないので,休み中1万字以上は書いてきて欲しいところです。ただ,字数に執着して,論理性をないがしろにするのはダメです。

なお,4年生の一人は,休み中九州経済調査協会で研修を受けるのですが,その一環で,卒論のための調査として,佐賀県唐津市呼子朝市に出向き,そこで来場者や出店者にヒヤリング調査する予定です。朝市の魅力を考察するためです。私も同行します。どうなることでしょうか。調査の下準備として,先行研究や関連文献の読み込みを指示しています。

3年生は,現在3チームに分かれて,研究発表準備をしています。1チームは,名古屋市内の八事興正寺に設置される定期市「サロン・ド・マルシェ」の活性化策を考察しています。1チームは,企業のオリジナル・キャラクターによるプロモーション効果を考察しています。1チームは,自動販売機における消費者の購買行動を扱っています。

3チームともに,全面的にテーマと内容を見直すように指示しました。

「サロン・ド・マルシェ」の活性化については,そもそも活性化とは何を意味するかが不明です。さらに,彼らは,策を導出する際にこちらがコントロールできる戦略的要因と,コントロールできない制約要因をきちんと識別していません。当初彼らは,来場者の回遊性を高め,その結果として客単価を引き上げる策を考え出すという方向を見出していました。しかし,会場の制約で,通路を変更したり,出店場所を拡大したりすることはできず,回遊性向上のため採ることができる策は少ない。しかも,現地調査の結果,現状では,来場者は会場内をくまなく回遊していることが分かりました。回遊性に焦点を当てること自体見直す必要があるようです。

オリジナル・キャラクターについては,何をしたいのかが不明です。様々な課題を混在させています。彼らは,オリジナル・キャラクターとアニメなどの既存キャラクターとの特質の違いを捉えたうえで,キャラクター展開のないせんべいのような米菓にオリジナル・キャラクターを付与すると,プロモーション効果が向上すると主張したいようなのです。しかし,オリジナル・キャラクターと既存キャラクターとの特質の違いを浮き彫りにしたいのか,米菓のプロモーション策を導出したいのか,何をしたいのかあいまいです。また,既にせんべいでオリジナル・キャラクター展開している例があるのですが,そのケースをきちんと振り返っていません。そもそも,米菓とその他の菓子の区別があいまい,プロモーション効果を理解していないなど基本概念をないがしろにしています。根本的にテーマを見直さないとまともな発表は今後できません。

自動販売機における消費者の購買行動については,今後出てくる結論が当たり前の単純な内容になりそうです。彼らは,なぜ消費者は自動販売機で飲料を買うのか,販売機を前にして消費者が非計画的購買を起こすとすれば,どんなメカニズムによるのか理論的に考察しようとしています。消費者行動の様々な理論を持ってきて,説明しようと頑張っていましたが,いたずらに複雑な論理になってしまい,発表の聴衆は彼らが何を言いたいのか理解できませんでした。なぜ消費者が自動販売機を利用するのかといえば,飲料にこだわりがない場合,移動のような買い物の手間をかけたくないからでしょう。もし,消費者が自動販売機において非計画的購買をするのならば,その生起要因は,店舗における非計画的購買の生起要因とさほど違いがないでしょう。これらを覆す独自のアイディアが出てくるでしょうか。根本的にテーマを見直したほうがよいでしょう。

2年生(秋学期からのゼミ内定者)には,秋学期論文コンテストへの応募に向けた,テーマと構成案の案出を課題にしました。8月中に一度仮の案をメールで申告してもらい,それが適切かどうか私が判断し,OKならば,本格的な案を9月のゼミ初回に提出してもらう予定です。

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