連日,経済関連ニュースのトップはトヨタのリコール問題です。とうとう戦略車のプリウスまでが国内でリコールということになってしまいました。5日には社長がお詫び会見をしました。しかし,事態は沈静化せず,批判の声は高まるばかりです。
この問題でのトヨタの対応を見ていると,過去,不祥事を起こして破綻にまで追い込まれた企業のまずい対応に共通することがあります。
一つは,情報が小出し。日を追って,新たな故障や苦情情報がメディアに出てきます。一度に悪い情報が皆出てくるのではないのです。こうなると,これで悪い情報は最後です,対策を打ち出しましたから安心してくださいといわれても,「また悪い情報が後に出てくるのではないか」と消費者はかんぐってしまいます。企業は信用されないのです。
もう一つは,トップが出てくるのが遅い。リコール問題が発生した時,最初に会見したのがアメリカ子会社の社長,つぎに出てきたのが日本本体の品質管理責任の副社長,そしてつぎにやっと本体社長が会見しました。当初アメリカにおいて問題が噴出したのでしたが,数百万台という膨大な車をリコールするわけですから,トヨタ全社(および多くのグループ企業)挙げての対応になるはずです。しかし,最初に本体のトップでなしにアメリカの子会社社長が会見したということで,トヨタはこの問題を軽く考えているというメッセージを暗に流してしまったのです。
アメリカのメディアはトヨタに対して辛辣で,あるアメリカのメディアは「毎週のように新しい女の話が出てくるタイガー・ウッズのようだ」と批判したとか。リコールの規模を考えれば,当然かもしれません。
一つ残念な(少々妙な)批判がありました。社長の会見場所が名古屋だったことに対して,「なぜ東京じゃないんだ?東京から2時間もかかるような場所で会見するのだ?」と,あるメディアが批判したそうです。アメリカ・メディアの特派員やジャーナリストはたいてい東京にいるので,その人たちの便宜を考えれば,名古屋で会見というのは自己本位的な感じがしたのかもしれません。私は地方分権が叫ばれている今,東京一極集中を脱して,本社を構えている名古屋で会見を開いたトヨタをすがすがしく思ったのですが・・・。
ともかく,マーケティングの中心である顧客対応の生きた教材(良くも悪くも)をトヨタは提供してくれています。学生の皆さんも是非注目してください。
この問題でのトヨタの対応を見ていると,過去,不祥事を起こして破綻にまで追い込まれた企業のまずい対応に共通することがあります。
一つは,情報が小出し。日を追って,新たな故障や苦情情報がメディアに出てきます。一度に悪い情報が皆出てくるのではないのです。こうなると,これで悪い情報は最後です,対策を打ち出しましたから安心してくださいといわれても,「また悪い情報が後に出てくるのではないか」と消費者はかんぐってしまいます。企業は信用されないのです。
もう一つは,トップが出てくるのが遅い。リコール問題が発生した時,最初に会見したのがアメリカ子会社の社長,つぎに出てきたのが日本本体の品質管理責任の副社長,そしてつぎにやっと本体社長が会見しました。当初アメリカにおいて問題が噴出したのでしたが,数百万台という膨大な車をリコールするわけですから,トヨタ全社(および多くのグループ企業)挙げての対応になるはずです。しかし,最初に本体のトップでなしにアメリカの子会社社長が会見したということで,トヨタはこの問題を軽く考えているというメッセージを暗に流してしまったのです。
アメリカのメディアはトヨタに対して辛辣で,あるアメリカのメディアは「毎週のように新しい女の話が出てくるタイガー・ウッズのようだ」と批判したとか。リコールの規模を考えれば,当然かもしれません。
一つ残念な(少々妙な)批判がありました。社長の会見場所が名古屋だったことに対して,「なぜ東京じゃないんだ?東京から2時間もかかるような場所で会見するのだ?」と,あるメディアが批判したそうです。アメリカ・メディアの特派員やジャーナリストはたいてい東京にいるので,その人たちの便宜を考えれば,名古屋で会見というのは自己本位的な感じがしたのかもしれません。私は地方分権が叫ばれている今,東京一極集中を脱して,本社を構えている名古屋で会見を開いたトヨタをすがすがしく思ったのですが・・・。
ともかく,マーケティングの中心である顧客対応の生きた教材(良くも悪くも)をトヨタは提供してくれています。学生の皆さんも是非注目してください。