
今年の紅葉は、思いのほか色づきが良く、案外長持ちしているように思える。北は青森から岩手、秋田、福島と廻ることが出来たが、まだまだ不完全燃焼で、描いていた光景にはほど遠かった。また足が向けられなかった、長野、岐阜、富山への訪問も課題が残ったまま時間が流れていく。限られた季節だから、実際時間をとって出向くことも思うようにはいかないが、それでも現地に出向いてナンボの世界、また来年も理想を求めたい。
この拙ブログでも、何度か掲載している富士山バックに撮影可能な東海道線三島-函南、通称竹倉。まだ撮影が容易く出来た時代には、撮影仲間とよくよく通った思い出の地だった。ブルトレが消滅しゴハチが動かなくなっても撮影可能なら、今でも有名撮影地でい続けたに違いないポイント。この竹倉通い、僕等には一つの目的があって、何度も落胆や屈辱を繰り返しながら何十と出向いたものだったが、その大半は冬場の撮影だった。それは富士山が綺麗に望める季節という理由なのだが、午後の上り列車が良い光で撮影出来るポイントとしても、この築堤は重宝していたことを思い出している。
掲載写真は、そんな竹倉でも珍しく晩秋に訪れた時の一コマ。とはいっても撮影データは12月で、正に今頃の季節なのだ。褐色に覆われた秋色の背景の中から、飛び出したブルトレは何とも美しく、背後の富士山とも相まって今でも印象に残る画像となっている。1年で最も日の出が遅く、線路に日が射し始めて直後にやってくる「あさかぜ」は、手前の影を避けての撮影のため、いつもとは構図が異なり難儀したことも懐かしく思える。木製ポールがまだ美しく、ここはこの時代が一番良かったと感慨にふけっている。
1981-12-03 10列車 EF65PF あさかぜ4号 東海道本線:三島-函南
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