風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

ゆんたく高江/やんばるの森にヘリパッドはいらない!

2008-03-26 00:01:27 | コラムなこむら返し
Yuntaku_ai 沖縄本島北部には「やんばるの森」と呼ばれる稀少生物が棲息するサンゴ礁にも負けない宝の森がある。ここだけにしか棲息していないヤンバルクイナやノグチゲラなどの稀少生物が棲んでいるのだ。つい最近も絶滅したと思われていたオキナワトゲネズミの棲息が「やんばるの森」で確認され、この森がいかに貴重な自然遺産であるかと言うことが再確認されたばかりだった。これらの種はすべて天然記念物に指定されたものだ。その稀少さもあって「やんばるの森」は世界自然遺産候補になっている。

 その貴重な森に日米政府は普天間基地の返還に代替するものとして辺野古(本島の北端/ジュゴンが棲息している海である)沖へ、基地を建設しさらに北部訓練場を半分にする代わりにヘリパッド(軍事用大型ヘリコプターのヘリポート)の建設を策謀している。いや、昨年から資材搬入やフェンスの設置などその準備は着々と進められ、人口140名余の地元東村高江の反対決議は歯牙にもかけられずにヘリパッド建設は進んでいる。
 この地には1957年に接収された北部訓練場があり、その規模は嘉手納基地の4倍あまり、7,900ヘクタールもあり、ここでベトナム戦争時には対ベトコン戦闘訓練などのジャングル掃討作戦や対ゲリラ戦闘訓練、サバイバル訓練等が行われており、将来的には自衛隊も共同使用し、訓練に参加したり、共同訓練をすることが日米で合意されている。

 さて、このような地でヤンバルクイナやノグチゲラなどの稀少生物のサバイバル(種の保存)に対して米軍や日本政府はどのような配慮をすると言うのだろうか?
 まして、その地でパイナップルを生産して平和にささやかに生きてきた東村高江の人々の平穏な暮らしと静寂をどのように保証すると言うのだろう?
 厳に深夜にまで及ぶ軍事用大型ヘリの離着陸訓練で夜の睡眠を妨害し、子どもの夜泣きの原因になっている。

 この問題を地元だけの問題にしないため、昨年「『ヘリパッドいらない』住民の会」が結成され、署名活動や議員立法をつくる方向で全国的なものにしようという活動がはじまり、「住民の会」による24時間座り込みが現在敢行されている。

 23日(日)JR中央線中野駅北口広場で行われた「ゆんたく高江」は、このようなやんばるの高江の問題をはるか離れた東京でゆんたく(おしゃべり)しようという企画のもとで行われた。いいだしっぺで一番がんばったのはサッちゃんだろうが、昨年10月に「反戦と抵抗のフェスタ」で一テーマとして取り上げられ、ビラをもらって気になっていたボクは今回のフリー・コンサート形式の集いで多くの事を教えられた。
 そう、ライブを楽しみながら「やんばるの森」で、今日も行われているきなくさい蛮行に、先日の米兵による少女暴行事件とまったく同じ構図を嗅ぎ分けた(「静かにしておいて欲しい」と少女の側が告訴を取り下げるという幕引きも戦後すぐの構造ではないかと思えた。沖縄や多くの女性たちは、耐えて泣いた。自分独りの胸に埋葬して……。興味本位に走るジャーナリズムも悪いのだが)。もう、随分と沖縄には行っていないが、あのテーゲーなユルイ時間の流れる島ではまだ戦争は終わってはいないし、米軍の占領下と同じような事態が今日も続いているのだ!

 爆音にさらされ、爆撃によってあやまって殺されるかもしれない稀少種の鳥や、絶滅危惧種の小動物の姿はアメリカの傘の下で、卑屈にへりくだって生きているボクらの姿と重なって見えないか?!

(関連ブログ)
やんばる東村/高江の現状→http://takae.ti-da.net/
ゆんたく高江実行委員会→http://helipad-verybad.org/

(写真3)そのいでたちからとてもヤマトンチューには見えなかった。南アイさんの三線島唄ライブ。