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■ 箱根湯本温泉 「住吉旅館」 〔 Pick Up温泉 〕

※ この施設は、Web上で廃業情報がみつかります。(2021/07現在)



<箱根湯本温泉 「住吉旅館」>
(神奈川県足柄下郡箱根町湯本647、11:00~19:00(要事前確認)、700円、0460-85-5006)
紹介ページ (神奈川の温泉宿(求人ジャーナル社))

箱根湯本の旧湯場地区、熊野権現神社下の好立地にある部屋数5のこぢんまりとした素泊まり宿。
以前土曜夕方に行ったとき、いともあっさりと断られたのであまりいい印象はなかったのですが、平日昼前にリベンジしたときはとても親切な対応でした。


【写真 上(左)】 「萬翠楼福住」の奥にあります
【写真 下(右)】 箱根温泉発祥の地です

明治創業という老舗宿で、純和風木造の館内は豪華さはないものの、よく手入れされて居ごこちよさげ。
帳場を抜けて左手廊下のおくにふたつの浴室。
浴場の手前は、大鏡が据えられた洗面所に磨き抜かれた木造階段と、和風宿の風趣にあふれています。

ここは、てっきり以前レポした大和(旅)館とおなじ旧湯場共同配湯泉(湯本第7.9.41号混合)だと思っていたのですが、手前浴室の分析書はなんと「湯本第41号」の単独使用。
もしや?と思い、おくの浴室の分析書を確認すると、こちらは「湯本第7.9号」の混合泉。
両方空いていたので、これ幸いと両方入ってお湯くらべ・・・(笑)。


【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 洗面所

※旧湯場地区の多くの宿は、旧湯場共同泉(湯本7.9.41号混合泉)をつかっています。
このうち、熊野神社の下で湧く湯本第9号は「惣湯」とよばれ、箱根最古の源泉として知られています。
明治中期までの湯本の泉源はほとんどこの「惣湯」に頼っており、関係者19戸のあいだで「共有温泉盟約」という惣湯利用についての取り決めが交わされていました。


【写真 上(左)】 手前の浴室
【写真 下(右)】 手前の浴槽

〔手前の浴室〕(湯本第41号)
風情ある総タイル貼りの浴室に変形楕円形黒タイル貼2-3人の渋~い湯船がひとつ。
側面から熱湯を注入、浴槽ふち前面から潤沢にオーバーフローで、槽内排湯はなかったのでかけ流しでしょう。
水カラン2、シャンプーあり。シャワー・ドライヤーなし。


【写真 上(左)】 手前浴槽の注入口
【写真 下(右)】 ザンザコです

無色透明のお湯はやや熱めで、浮遊物はほとんどなし。湯中の指先がしっかりと青白く発光しています。
よわい芒硝味に微塩味に明瞭な石膏芒硝臭。
よわいきしきしとヌルすべが入り混じる湯本らしい湯ざわりで、しっかりとしたとろみも感じられます。


【写真 上(左)】 おくの浴室
【写真 下(右)】 おくの浴槽

〔おくの浴室〕(湯本第7.9号)
ここも雰囲気ある総タイル貼りの浴室で鍵穴型赤タイル貼2人の湯船。
こちらも側面からの熱湯注入で、浴槽ふち全面からの潤沢オーバーフロー&槽内排湯なしはかけ流しでしょう。
水カラン1、シャンプーあり。シャワー・ドライヤーなし。


【写真 上(左)】 おくの浴槽の注入口
【写真 下(右)】 こちらもザンザコ

無色透明のお湯はややぬるめで、わずかにうす茶の浮遊物。よわいながら湯中の指先が青白く発光しています。
かすかな芒硝味で塩味はほとんど感じられず、よわい芒硝臭。
よわいきしきしと弱ヌルすべでよわくとろみも感じられます。

で、入りくらべです(^^)
味臭、ヌルすべ、とろみとも、手前(41号)の方がはっきりしていて、お湯もやわらかく、あたたまりが強いような気がしました。(熱湯ということもありますが・・・)
でも、おく(7.9号)の方がお湯に軽さがあって格調高いようにも思えて甲乙つけがたし。
おく(7.9号)の方が福住横穴湧泉(3号)にちかいような感じがしました。

浴後は、肌がしっとりと落ちついてすべすべになる美肌の湯で、ほどよい爽快感が味わえます。

浴後、両方の浴室に入ったことを白状して(笑)、お宿の人(若女将?)に訊き込みに入りました。(700円で両方入れるかは不明。)
・やはり、手前とおくで使用源泉がちがう。
・手前(41号)は泉源直引きで湯量で温度調整しているが、これがなかなかむづかしい。
・熊野神社の境内で、手前にあるのが7号と9号、おくの櫓が41号。


【写真 上(左)】 7号&9号?
【写真 下(右)】 41号?

情報の少ないお宿ですが、箱根湯本でも屈指の名湯、旧湯場系のふたつのお湯をつかうとはなんとも贅沢。
どちらも湯本でも一級品のお湯であることはまちがいなく、ここはおすすめです。
ただし、宿泊客優先になるようなので、週末は要事前連絡かと・。

アルカリ性単純温泉 54.5℃、pH=9.0、湧出量不明、成分総計=0.793g/kg、Na^+=231mg/kg、Ca^2+=28.6、Cl^-=288、SO_4^2-=151、HCO_3^-=33.0、メタけい酸=30.4、メタほう酸=12.0 <H16.4.2分析> (源泉名:湯本第41号)

アルカリ性単純温泉 36.7℃、pH=8.6、湧出量不明、成分総計=0.456g/kg、Na^+=108mg/kg、Ca^2+=23.8、Cl^-=123、SO_4^2-=105、HCO_3^-=32.1、メタけい酸=49.1、メタほう酸=4.99 <H19.4.2分析> (源泉名:湯本第7、9号混合泉)

<参考>
アルカリ性単純温泉 36.0℃、pH=9.1、湧出量不明、成分総計=0.332g/kg、Na^+=83.1mg/kg、Ca^2+=11.1、Cl^-=84.1、SO_4^2-=71.0、HCO_3^-=21.1、メタけい酸=40.1、メタほう酸=2.75 <H16.12.7分析> (源泉名:湯本第7、9、41号混合泉/大和(旅)館掲示)

〔 2010/07/09UP (2008/05入湯) 〕


E139.6.8.427N35.13.40.529
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