goo

日本酒-5 / 4.もろみ(仕込み・造り)

つづきです。

4.もろみ(仕込み・造り) - 小仕込み、樽仕込み、段仕込み -

もろみとは酒母に麹、蒸米、水を加えたもので、これが酵母の働きで発酵して原酒をつくりだします。
日本酒づくりで重要な発酵工程で、”仕込み”ともいい、「一麹、二酛、三造り」の”造り”にあたります。
このもろみを”仕込む”ときにつかう蒸米が”掛け米”です。

ふつう、発酵に充分な酵母を育て活性を保つため、酒母に蒸米、水を一気に加えず何回かにわけて加えられるので、「段仕込み」ともいわれます。
一般的なのは3回で、これを「三段仕込み」といい、1回目から3回目までそれぞれ”初添”、”仲添”、”留添”という名がついています。
2日目に”踊り”という発酵調整期間をはさみ、仕込み工程は4日ほど。
”留添”のあとに、蒸米を糖化して4回目の仕込みをしたものを「四段仕込み」といい、ふつう甘口の酒質になるとされます。
「五段仕込み」など段数を多くした表示もみられますが、酵母の活性を保つには「三段仕込み」で充分とされ、段数の多さは酒質に比例しないという見方が一般的です。

どういうタイミングでどの程度の麹、蒸米、水を加えていくかはまったくの職人技で、これにより酒質が大きくかわるそう。杜氏さんの力量が問われるところです。
なにしろ相手は酵母なので、気温や湿度などでデリケートに変化するうえに、蒸米や麹、酒母の仕上がり具合までもふまえ長年の感覚でこなしていくので、その難易度はただごとではなく、コンピューター化するとしたらいったいどのくらいのパラメーター(変数)が必要なのか、ちょっと想像がつきません。(完全な置き換えはできないと思う。)

この”仕込み”を小ロットで丁寧におこなうのが「小仕込み」、仕込みを樽の容器でおこなうのが「樽仕込み」です。


加賀の銘酒・常きげん 鹿野酒造(株)/石川県加賀市 純米酒

”留添”のあとはもろみをじっくりとアルコール発酵させ、20日ほどで約18度くらいの度数になります。
アルコール発酵は二酸化炭素を生むので、ふつう、もろみには”水泡”、”かに泡”、”玉泡”など、発酵状況に応じた泡が発生しますが、泡の管理を省いたり、仕込み量を増すため、”泡なし酵母”という泡を発生させない酵母もつかう蔵元もあります。
ただし、これはサブタイトルとして記載されることはあまりありません。

また、”搾り”の前に醸造用アルコールを添加すると、すっきりとした辛口に整い香りを引き出すとされ、必ずしも「純米」にこだわる必要はないという見方もあるようです。

つづきへ

日本酒-1
日本酒-2 / 1.玄米
日本酒-3 / 2.精白
日本酒-4 / 3.蒸米・麹・酒母
日本酒-5 / 4.もろみ(仕込み・造り)
日本酒-6 / 5.搾り
日本酒-7 / 6.滓澱(オリ)引き、濾過
日本酒-8 / 7.火入れ ・ 8.貯蔵・熟成
日本酒-9 / 9.濾過・火入れ(2回目) ・ 10.割水
日本酒-10 / ■味覚からのネーミング
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 日本酒-4 /... 日本酒-6 ... »