京都で、着物暮らし 

京の街には着物姿が増えています。実に奥が深く、教えられることがいっぱい。着物とその周辺について綴ります。

きもの本

2005年10月19日 | 着物あれこれ
 『銀座志ま亀 きもの尽し』 芸艸堂 2500円

京友禅の伝統を維持しながら鮮やかな色目と古典柄の「志ま亀好み」と言われる銀座の高級呉服屋志ま亀の女主人が上梓した着物本。
若い友人がこの呉服屋で誂えてもらったという志ま亀独特の鮮やかな小紋とコーディネートされた塩瀬の帯を目にしたことがあるが、忘れられない
 
『織の四季』  京都新聞社出版センター  1400円
京都新聞に連載されていた西陣織の四季。京の歳時記と伝統の西陣織の意匠を楽しめる。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京好みとは、「京都で、きもの」に寄せて

2005年10月19日 | 着物あれこれ
東京のmaikoplasmaさまから京好みについてメールをいただきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あらためて、「なごみ」別冊の上梓おめでとうございます。
淡交社さんならではの丁寧な編集で、
本当に読みごたえたっぷりの雑誌ですね。
素晴らしい写真と丁寧な記事で、
まさに「永久保存版」といった感じです。
老舗の「こだわりの品」が多数紹介されていて、
着物初心者の方にも、目を養ううえで良い勉強材料に
なるのではないかなあ……と思います。
本当に「目のお正月」という感じの、
すばらしい写真ばかりでした。

木下様と、かづら清の女将・霜降様のご対談、
「なるほど!」と思うことや「まさに同感!」と思うこと
ばかりで、本当にためになりました。
木下様のお着物、とても素敵ですね!
背がすらりと高くていらっしゃるので、
シックな着物がよく映えて、本当によくお似合いです。
霜降様のお着物との組み合わせもぴったりで、
すばらしいですね。それぞれの個性を出していながらも、
バランスがぴったり合っているという感じで、
まさに「着物通の着こなし」!
事前の打ち合わせなしでこういうすばらしい着こなしが
できるのは、やはり、着物でいろいろなシーンへ
お出かけされているお二人ならでは、という感じです。

対談の中で出ており、この雑誌のテーマにもなっていた
「少し甘さを出す」というのは、
本当に的を射ているなあと思いました。
「京風の着こなし」という観点からだけでなく、
「若い人の着こなし」にもそのままあてはめて
考えられるのではないかと思いました。

私は縞の着物を着るのが好きなのですが、その時は、
帯や小物を少し派手なものにしたり、柔らかい雰囲気のものに
すると、私の年齢でも縞の着物が浮きあがらず、
しっくりする感じがします。

ちょうど、「なごみ」別冊発売直後の週末に
京都へ行ったのですが、その際、縞の小紋に、
お茶屋さんのような建物が描かれたエンジ色の染め名古屋帯を
あわせてみました。帯揚げを白に赤の飛び絞り、
帯締めも白に赤が入っているものにして、
やわらかい感じを出してみました。(画像参照)

「なごみ」別冊を購入する前に持って行ったコーディネート
なのですが、京都で「なごみ」別冊を買い、
帰りの新幹線の中で読んでいたら、
「少し甘め」に合っていてよかったなあ……と安心しました(笑)。

今月発売された「七緒」第4号に、
浅草の「酉の市」で売られる熊手も作っている、
「よし田」という鳶頭の家の大女将が出ていました。
80歳を超えてなお現役でがんばっておられ、
着物の着こなしもとても粋な方です。この方も、
若いころから縞の着物を好んでいたそうなのですが、
若いころは帯を少し派手めにしていたという記事を読んで、
「なごみ」に書かれていたことと共通するなあ、と思いました

365日着物で生活しておられるそうですが、
仕事の時は、古くなった紬に半幅帯というスタイルで、
出かける時には、御召や柔らかものを粋に着ておられます。
こういったメリハリも、やはり「着物通」ならではだなあ、
と思います。

若い方が自由な感性で着物を着ることはとても素敵だと
思いますが、すごく地味な装いになったり、
普段着とよそゆき着の境目が曖昧になったりしているケースも
多いような気がします。
やはり、先人の轍はきちんと踏んだうえで、
そこから「自分流の着こなし」をしていくことが
肝要なのではないかなあ……と、個人的には考えます。
そういった意味でも、「なごみ」別冊でのお二人の対談と
お写真や、浅草「よし田」の大女将の着こなしは、
本当に勉強になると思います。ぜひ、若い方にも
たくさん読んでいただきたいなあ……と思います。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする