虫干しもかねて、気なっていた訪問着を取り出してみました。
一つ紋だと思っていたら、大層にも三つ紋がついていた。
義母は観世会館での舞台を意識して、胸に模様がくる訪問着ばかり作っていたようだ。色留は立ち姿であれば、いいけど座る席では無地ばかりでさびしいし、舞台映えがしないからだったのだろう。一枚も遺っていないということは、持っていなかったことになる。
どういうときに着はりましたの?と、あちらに電話して聞いてみたくなりました
*三つ紋「白染め抜きの日向紋」訪問着
けし紫に細かい地紋があり、とてもしっかりとした好いちりめん。専門家にどういうものか訊いてみたいものだ。
ネットで急遽お勉強してみましたら、訪問着としては最上級の礼装ということになります。
■格の高い染め抜き紋
紋を表す技法は、大別して染めと刺繍がある。
図柄は、正式な「家紋」と好みでつける「しゃれ紋」がある。
家紋の表し方には日向紋(ひなたもん・陽紋)、中陰紋、陰紋(蔭紋・総陰紋)、という形式があり、日向紋が格が高く、次いで中陰紋、陰紋の順になります。
総合すると「染め抜き日向紋」がもっとも格の高い紋となる
染め抜き日向紋は、紋の中を白上げにして、輪郭や詳細を細い線でかたどっています。礼装には必ず染め抜き日向紋を用いる。
■さまざまな表現のある繍い紋
刺繍の家紋は染め抜き紋より略式ですが、色無地や訪問着などに付ければ、略礼装になる。
菅繍(すがぬい)、相良繍(さがらぬい)、芥子繍(けしぬい)、まつり繍など多様な刺繍技法がある。
◆ きものの種類別・紋の付け方
<紋の数と格>
■ 数は一つ、三つ、五つ
紋の数は一つか三つか五つと決まっていて、多いほど格が高くなります。五つ紋は第一礼装だけに付けるので、必ず染め抜き日向紋です。三つ紋は染め抜き日向紋に加え、中陰紋や陰紋、繍い紋なども付けられますし、一つ紋ならどんな種類の紋でも付けられる。
■ 紋付きものの保管
紋の白場は汚れやすく、また、汚れが目立つものです。紋の部分は強くこすってはいけません。紋をきれいに保つためには、着用時だけでなく、保管にも気をつけて、しまうときには、必ず紋に薄紙を当てます
この訪問着は、洗い張りしてマイサイズに直して、1度だけ着たことがあります。
たしか、2001年のお煎茶の初煮会でした。ボケたプリントからの接写
。また改めてちゃんと着て、リベンジいたします
「まき糊散らし友禅」コーナーに画像を1枚 追加しました。