香貫(かぬき)山 標高193m 横山 183m 徳倉(とくら)山 256m 志下(しげ)山 214m 小鷲頭(こわしず)山 330m 鷲頭山 392m 静岡県
2011年4月17日(日) 晴れ
メンバー 山の神と私
コースタイム 8:18中瀬登山者用駐車場8:28--9:20香陵台トイレ休憩--9:30展望台--10:20横山10:33--11:04徳倉山11:14--11:50志下山(昼食)12:30--13:00小鷲頭山--13:16鷲頭山13:33--14:20志下公会堂バス停--沼津市役所前下車--15:05狩野川突堤15:15--15:35中瀬駐車場
震災後初めての山登りに、沼津アルプスを選んだ。山の神は10年ほど前に一度ここを冬場に歩いており、海風をまともに受けて、寒すぎたといっていた。そんな目に遭うのは、願い下げだと思っていて、うららかな春を選んだというわけだ。でもこの季節は、手に負えない花粉たちが活躍中だ。とくに今年は大量飛散。ただでさえ敏感な鼻に塗り薬をつけ、マスクをして、出発とあいなった。
あらかじめ沼津市のサイトで、沼津アルプスの地図(概念図)をプリントアウトして、携行していた。香陵台に駐車場のマークがついていたのだが、どうしてもそこへ行くための道が見つからなかった。霊山寺の登山口あたりから上がるのかと思いきや、「この先駐車場はありません」の文字が目に入って引き返し、周辺をぐるぐる走ったのだが、結局ダメで、最終的には香貫(かぬき)大橋のたもとからちょっと高台に上がった所にある中瀬の登山者用駐車場(写真上)に車を置いた。あとから地元の方から聞いた話だと、車両通行止めになっていて、香陵台の駐車場は使えないはずだと。たしかに香陵台の展望台まで行ってみると、白線が引かれた駐車場があったが、1台も駐車していなかった。
結果30分くらい時間をロスして、しかも中瀬の駐車場からの出発となり、予定していた多比(たび)への下山時間は実質1時間くらいは後ろにずれ込むことになった。山の神はこの時点で、徳倉山まで行ってピストンかね、お花見だけで香貫山まででもいいよ、とすっかりハイキングモードに切り替わっている。私のバリバリの登山モードは、その一言でぐらぐらと揺らぎ、それでもいいかと楽な選択肢に傾いた。
中瀬からの登山道(観光道?)はよく整備されていて、登っていくとすぐに新桜台に着き、お花畑が現れた。 春まっ盛りといった風情で、朝っぱらからもう、お花見をしている方がいた。
間違って遠回りの道へ入ってしまうと、椿の赤い花が印象的な散歩道が出てきた。道端には、これまた真っ赤な落花が散乱していて興を誘う。華やいだ気分になっていると、香貫山への入り口が出てきた。車道からいっきに急な上りだ。登り切ったところに電波塔があって、そこが山頂。つまらない山頂で、すぐさま通過する。
香陵台への登り口にたどりつく。門番のようにたたずむ猫が見据える先に男女共用のトイレがある。そこから階段を上がるとすぐに展望台で、9:30頃に到着した。展望台からの眺めは最高で、駿河湾、富士山が眼前に迫ってくる。ただし富士山の手前には、無粋な愛鷹山がでんと居座っている。このあと移動しても移動しても、沼津アルプスの峰々から見える富士には常にこの愛鷹くんがお供していた。
お花見と景色目当ての観光客でにぎわう香陵台を後にし、八重坂峠へガッツリ下る。車道も歩いて、ガッツリ下った分、今度はガッツリ登ることになる。この登りでは、花粉よけのマスクをしていたがために息苦しくなり、結局マスク着用をあきらめて、はずして歩いた。直後なぜか赤飯のおにぎりを食べながら下ってくるおじさんとすれ違う。
左:横山山頂 右:鎖が付けられた激しい急登。小さい青ポチは階段の上のほうを歩いている人
展望のない樹林帯の中にある横山には、10:20到着。小腹が空いて、行動食として持ってきたドラ焼きを食べて出発。またガッツリ下る。休憩中にわれわれを追い抜いていった妙齢のご婦人2人組が途中立ち止まっていた。何かいるようだ。てっきり猪かと思って近づいていくと、蛇だった。春だねえ。下り切ると、今度もまたガッツリの上りが現れた。繰り返しだわね。トレーニングコースかいな。
ゼイゼイいいながら11:04徳倉山に到着。小広いちょっとした草原状の山頂で、くつろげる。すでに年配のご夫婦がお昼ご飯。途中追い抜いた若者グループも後から山頂に来て、ここでお昼となる。山の神と私は千金岩あたりで食べようと、水分補給して出発する。
千金岩の上部に腰を下ろせる岩があったが、先着様がいた。まったく腰を上げる様子がない。海を見下ろせるいい場所だったのだが、残念無念。結局よさそうな場所を物色しているうちに志下山まで来てしまった。でも、きれいなお花の木の下で、海を見下ろせてという最高のロケーションをプレゼントされたようだ。と思ったのもつかの間、家族連れやわれわれのような夫婦が狭い山頂に次々と来て、相当な賑わいになってしまった。
この時たまたま、お隣に座った地元の方から興味深い話を聞いた。岩崎元郎氏選の百名山に、沼津アルプスが入れられてから、この山域は非常に登山者でにぎわうようになったと。それ以前は地元の小学生が鷲頭山に遠足で登るくらいだったのにと。ふうん、そうなのか。たしかに景色は最高だが、こんなにアップダウンが激しい低山がポピュラーなのは、ちょっと不思議に思い始めていたところだった。
すっかりハイキングモードになっていて、昼飯食べたら、下山しようかと山の神と話していたが、この地元の方は、しきりに沼津アルプスの最高峰鷲頭山に登ることを薦める。行っちゃうか。予定変更は二転三転して、鷲頭山まで行って、志下(しげ)公会堂のバス停に下ることで固まった。
鷲頭山を目指すと、まず平重衡が籠もったという、中将宮の巨岩を仰ぐことになる。驚くほどでかい。横を通過していくと、またまた、ガッツリ登らせられる。急登を我慢していくと小鷲頭山に到着する。ここも眺めがよく快適な山頂だ。
シャゲの群落を越えて、13:16鷲頭山に到着。団体が山頂で騒いでいた。ほかに単独行の方や、年配の夫婦。広い山頂ではあるが、展望はないといっていい。ここでしばらくくつろいで、下山開始。
ガッツリ下って、ぼたもち岩のある志下峠まで戻る。そこからしばらく下ると、海と里山の春といった日本画ふうの景色を堪能できる。黄色の花を満遍なく付けた山吹も出迎えてくれる。国道414号まで出て、志下公会堂のバス停にたどりつく。バスの本数は多く、待っていると、すぐにバスがやってきた。市役所前で下車し、駐車場までひたすら歩く。途中狩野(かの)川沿いの突堤にあがり、川づたいに進む。国道沿いのセブンイレブンで買った飲み物で一息ついて、駐車場には15:35に着いた。
帰りの高速は地獄だった。事故渋滞の嵐で、自宅に着いたのは20:30頃だった。ああ疲れた。