分類:観
鹿島町を見て歩こう㉖ 《下矢田地区・御代地区》 伝説の力石(ちからいし) 鹿島町には 「力石」 が2つあります。力石とは昔、労働力が人力以外に頼るものがなかった時代に、若者たちが体力づくりや、時には仲間同士の力自慢の道具として使われた石です。 下矢田部落には大きな堰(せき)が2つあり毎年堰止め工事が行われ、青年たちはそういう労力作業に備え毎月の農休日にはお寺に集まり、修行のための寺泊りや体力づくりに相撲や力比べをすることになり、繭形石が力石としてそこへ登場した訳です。
《真浄院(下矢田)にある力石》
《八坂神社(御代)の上り口にある力石》
力だけでは中々持ち上がらず、腰の据え方のコツも必要とします。 5~6人が持ち上げに成功しましたが、力試しも次第にエスカレートしていき、その石を担いで寺の庫裡の周囲を回る競争になりましたが、その時に残ったのは2人だけでした。 最終的には、力石を山門まで転がし、そこから担いで石段を上ることになりました。これに挑戦して見事成功したのは、昭和初期の当時17、8歳だった坂本直政という人でした。石は32、3貫(120kg前後)はあると言われています。
《真浄院》 《御代の八坂神社入口》
ある時、部落を4つ隔てた先の御代部落に真浄院よりも一回り大きな石があるということを聞いた坂本さんは、早速その石の持ち上げにも挑みました。真浄院の繭形石と違って、こちらの石はどちらかというと長方形で、手掛かりがなく揚げにくかったそうですが、その石を前にして深く呼吸を整えると一気にグイと力を入れ胸のあたりまで持ち上げたそうです。 これらの2つの石は、今でも真浄院の境内と、八坂神社の鳥居の前に現存します。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます