一昨日の記事「『いざ来ませ、異邦人の救い主』 BWV659」では、季節感を無視した選曲となってしまったので、今日は時節にあった受難曲をきくことに。
「マルコ受難曲」は、1731年の聖金曜日に、聖トーマス教会で初演されたのですが、歌詞のみ現存している作品。ふつう、復元の試みは、BWV198、BWV54からされるのですが、コープマンの「マルコ」は、まったく違う試みです。
その試みは、歌詞にあった曲を、現存する作品から転用して復元し、それが不可能な部分のみ作曲する、といったもの。これは復元というより、バッハの高弟コープマンによる受難パスティッチョ、といったほうがよいかもしれません。
そうした、復元の特殊性をのぞけば、演奏も映像もとても美しく、高水準の演奏だと思います。ただ、このために作曲された福音史家のレシタティーヴォについては、少し違和感を感じてしまうところもあります。
DVD : CCDVD72141(Challenge Classics)