これから楽しむのは、ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツによる無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番(BWV1004)。ゴルツの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ集」(2017/2018年録音)をはじめてきいたとき、想像より、すっきり、さらり、としていると感じたのですが、このパルティータも同じです。とくに気負うようなところもなく、さりげなさが印象にのこりました。ピリオド楽器の奏者たちも、グスタフ・レオンハルトやニコラウス・アーノンクールの世代にように、さまざまな無理解と戦う必要がなくなったことも大きいのでしょう。もちろん、ゴルツが経験とともに円熟味をましてきたということもあるかと思います。もっとも、チャッコーナなど、大上段にふりかぶった演奏を好むむきには不満があるでしょうが。
CD : AP176(Aparte Music)