『オルガンの芸術』は、2019年に道話書院から発刊されたオルガンの解説本です。「全5章で構成される本書は、第1章から順に読み進むことも、必要な章だけを読み進むことも可能」(刊行にあたって)で、辞書的な利用も楽しめます(読了までにまだまだ時間がかかりそう)。ところで、このブログのように、バッハばかりきいていると(じっさいはほかにもいろいろきいていますが)、オルガンというとバッハ、ドイツということになりがちです。しかし、同書ではドイツをふくめ、イタリア、ネーデルラント、スペイン、フランス、オーストリア・東欧諸国とスイス、イギリス、アメリカ合衆国、その他の地域(以上第4章)、そして日本(第5章)についても解説されています。ともすれば偏りがちな視座を大きく広げることができ、これは同書のすぐれた特色だと思います。