先週後半から今週前半にかけてきいてきた、諏訪内晶子による「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲) 」(DECCA UCGD-9086/7)。番号順どおりにきいてきたので、これから楽しむのは、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ということになります。この第3番はのぞき、とりあえずこれまでの5曲の感想を。まずすばらしいと思ったのは、勢いのある曲、ソナタでいえば第2、第4楽章に当たりますが、これらは運動エネルギーに満ちていました。それに対して、ソナタの第1、第3楽章はやや平板に感じます。緩急を意図的に鋭く対比させ、緩徐楽章を抑え気味にしていていたのかもしれません。
繊細なアーテキュレーションによるピリオド楽器の演奏ばかりをきいていると、すぐれた演奏でも楽譜どおり、そういうふうに感じるだけなのかもしれないですね。良いか悪いかというより気になる、ということです。とにかく、急速楽章にくらべ緩徐楽章はむずかしいのでしょう。グァルネリ・デル・ジェズ「チャールズ・リード」(1732年製)の響きが美しいだけに、ちょっとざんねんなところでした。なお、この第3番のプレルーディオ(プレリュード)とルールのさわりは、YoutubのUniversal Music Japan公式チャンネルのティザー映像として公開されています。