今週はここまで、フランク・トゥンスとベルトラン・キュイエの「Johann Sebastian Bach: Sonate e Partite per il Flauto Traversiere」(2020年録音)を楽しんできました。これからきくのはのこる1曲、ト短調のソナタ(BWV1030b)です。このソナタはロ短調のソナタ(BWV1030)の異稿(初期稿)ですが、フルート・パートは失われています。このブログでは、ガンバ、オーボエで演奏したものをきいていますが、フルートははじめて。トゥンスの解説によれば、「ロ短調のパートを移調して復元」して吹いているとのことです。
この楽器編成の根拠としてトゥンスは、ヨーハン・フリードリヒ・ヘニング(1724年生)の筆写譜(チェンバロ・パート)表紙に、「G.moll Sonata / al / Cembalo obligato / e / Flauto traverso」(オブリガート・チェンバロとフラウント・トラヴェルソのためのト短調ソナタ)とあることを指摘しています。なお、奏者2人の使用楽器は、ジョヴァンニ・タルディーノの2019年製のフルート(ピエール・ガブリエル・ビュッファルダンにもとづく)と、ブルース・ケネディの1985年製のチェンバロ(ミヒャエル・ミートケにもとづく)です。
CD : RAM 1908(RAMÉE)