アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

20220603 小松基地第2滑走路建設を止めねばならない

2022年06月03日 | 小松基地(第2滑走路問題)
20220603 小松基地第2滑走路建設を止めねばならない

 今年3月、馳浩は石川県知事選挙の公約として、「小松空港(基地)の新滑走路建設による小松空港の民営化・空港周辺で北陸一大拠点づくり」を掲げて当選した。そして今朝(2022年6月3日)の朝刊には、「第2滑走路を優先検討―小松空港中期ビジョン」という見出しが躍っている。福村章と馳による戦争準備が始まった。
 当会の見解は2018年2月16日と2019年8月31日のブログ「小松基地第2滑走路について」で述べているが、その見解に至る素情報を『今こそ、不戦を誓う―小松からアジアの友へ』(155ページ 2021年2月発行 送料とも600円 乞う注文)に収録した資料から引用しておこう。
 また、1月に墜落したF15戦闘機の事故調査報告が終わったが、一切を乗員の「空間識失調」を原因にして、幕を下ろし、訓練強化の道を進もうとしている。

(資料⑨)小松基地第二滑走路について (二〇一九年八月)

(資料A)二〇一六年五月三一日『日刊建設工業新聞』
(資料B)二〇一八年二月十三日 石川県議会予算委員会 議事録抜粋
(資料C)二〇一九年三月小松市議会 議員提出議案第3号
(資料D)一九八〇年七月『小松の空から、朝鮮侵略のファントムを飛ばすな』第四集

(資料A) 2016年5月31日 『日刊建設工業新聞』
   【石川】安宅新町で新産業団地/空港に隣接、対象面積は三二・四ヘクタール/八月から測量など

 小松市は、小松空港北側に隣接する安宅新町地内で新たな産業団地を整備する。六月補正予算案に調査費二一〇〇万円を計上。土地区画整理事業の立ち上げに向け、八月から測量や権利調査に着手する方針だ。
 対象面積は三二・四ヘクタールで、国有地(約十八ヘクタール)と民有地(約十四ヘクタール)が点在する区域となる。全体スケジュールによると、十七年夏に事業計画を策定。同年度内の市街化編入、都市計画決定を経て十八年夏の事業認可を目指す。二〇年度に造成を完了させたい考えだ。
 安宅新地区は小松空港をはじめ、北陸自動車道小松インターチェンジやJR小松駅に近いため、空路・陸路の高い交通アクセス力が強みとなり、物流など臨空関連の企業誘致を狙う。
 新産業団地については、市議会三月定例会の中で和田愼司市長が「空港の近くに空いている土地がある」などと述べ、敷地の有効活用を示唆していた。

(資料B) 2018年2月13日 石川県議会予算委員会 議事録抜粋

◆福村章 委員 
 (…略…)問題は、長年、日本海側の拠点空港として君臨をしてきた小松空港の行く末であります。と申し上げるのは、小松空港は昭和三七年開設以来、今日まで基地との共存共栄で発展してきたものであります。ところが小松空港は元来基地のものでありまして、民航がどれだけふえても青天井であるはずはありません。
 ちなみに、小松空港の状況を平成当初と比べてみますと、国内線は九便から十九便にふえております。当時は外国の飛行機による国際線は一つもなかった。今日は上海、台北、ソウルで週十四便が飛んでおります。そして、多くのチャーター便も飛び交っておりますし、加えて地方空港では珍しい貨物便が二社、週五便就航をいたしておるのであります。まさにこの状況は本格的な国際空港に発展したというか、発展しつつあると言っても過言ではないと思います。
 一方、小松基地においては、最近の最も大きな変化は対岸諸国からの脅威に日本国がさらされているということであります。したがって、平成当初は年六〇〇回であったスクランブルが平成二八年には一〇六八回(注:一一六八回)、大幅にふえているのであります。加えて、近年、新田原から十機の精鋭部隊が移転をしてきました。そして、日米合同訓練が毎年開催されることになってます。このような現況の中で、最近、元小松基地司令(注:誰か不明)が「日本海が大変な脅威にさらされている中、民航が優先され、基地が自由に使えない」との不満を申されております。他方、民航側からは「就航の許可を得るまでに時間がかかり過ぎ」、「飛行する時間帯に制約がある」とか「チャーター便の枠に制約がある」などの多くの不満が双方から出てきつつあります。
 これでは、これまでの先人が長い時間をかけて日本一の共存共栄の空港を築き上げてきましたが、ここに来て大きなひびが入るのを非常に恐れております。このような状況を担当部長は今どのように認識をしておられますか、まずお聞きします。

◎吉住秀夫 企画振興部長 
 小松空港につきましては、共用空港であることから、県として空港に関する業務を行うに当たりまして、小松基地や防衛省と円滑なコミュニケーションを図る必要があるということは言うまでもございません。
 県といたしましては、これまでも基地に関連する事項について丁寧な協議等を行うよう努めてきたところであり、防衛省から不満は聞いておりませんが、引き続き円滑なコミュニケーションを図りながら業務に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 航空機の発着処理能力につきましては、こういった中で慎重な見きわめがなされる必要があるというふうに考えております。(…略…)

◆福村章 委員 
 非常に甘いと私は思ってます。事実、私が最近お会いをした防衛省高官(注:誰か不明)に「これからどのくらい民航が許されるもんですか」とお尋ねをしました。「何便までとは言えないが、限界に近づきつつあることは確かです」とのお答えでありました。
 そこで提案をいたしますが、この際思い切って第二滑走路をつくるべきであり、新年度からでも国の最重要要望事項に入れるべきではありませんか。何も遠慮する必要はないと思います。既に平成二一年(二〇〇九年)に百里基地に二一〇メートル間隔をあけた第二滑走路を国土省が整備をいたしておるのであります。百里の茨城共用空港は民航一日十三便の離発着であります。小松の一日の離発着は四五回であります。三分の一にも百里は満たない。いずれにしても、今が第二滑走路新設の最大のチャンスであると私は思います。
 何となれば、その一は、国防上からして日本海が今大変な脅威にさらされているということであります。その二は、国の海外誘客二〇二〇年四〇〇〇万人、二〇三〇年六〇〇〇万人構想では地方空港を国際化の受け皿として国を挙げて取り組みがなされており、福岡、那覇空港では既に二本目の滑走路の工事が進められているのであります。小松空港も本格的な国際空港への絶好のチャンスであります。その三は、地震などの災害の場合、地上の鉄道、道路、港などが分断された場合、空からの救命救助が最後のとりでであります。小松空港を日本海側ど真ん中の空の防災基地として整備すべきであります。その四は、現在小松市が工業用地として活用しようとしている二〇万平方メートル以上の隣接地をほかに転用したら拡張用地がなくなるのであります。その五は、日本海沿岸には本格的な国際空港がありません。日本海側のど真ん中の小松空港がこれから目指すべき日本海側時代の空の表玄関として一番ふさわしいと思います。
 以上、国家的見地からしても第二滑走路の新設は極めて有効で、一日も早く準備を進めて、第六航空団を文字どおり日本海側の最精鋭部隊として、小松空港を文字どおり本格的な国際空港、日本海側の拠点空港として盤石の整備を進められる準備を今なすべきだと思いますが、知事の前向きな御答弁を期待いたします。

◎谷本正憲 知事 
 (…略…) 委員が御指摘のような状況というのは実は我々のほうには全く防衛省や国交省からは入ってきておりませんので、まずはその辺の状況を我々としても確認をしてみる必要があるんではないかと思います。
 昨年、訪日誘客支援空港という形で国のほうへ認定申請しました際も、基地の御了解を得たということでありますし、防衛省から特段クレームがついたという話も聞いていないわけでありますので、どれだけ余裕があるのかというのは実は我々のほうもよくわからない。我々、民間のほうは年間一・六万回という数字は出ておりますが、基地としてどれだけお使いになっているのかというのはよくわからない部分がございます。百里の場合には、もともと北関東にああいう民間の空港がなかったということもありますし、あそこは百里基地ができて、それから四〇年たった後、民間の空港が了解をとってあそこに入ったということがあります。
 ただ、ああいう形で滑走路になりますと、いろいろ聞くところによれば同時離発着ができないという何か制約があるというふうに聞いておりますので、そうしますとその制約がどの程度が足かせになるのか、足かせにならないのか、そういったところも少し掘り下げていずれにしても検討してみる必要があるんではないかと思いますので、せっかくの委員の御指摘ということでもございますので、我々も今正直、基本的な情報そのものが不足をしているという状況でございますので、その辺は防衛省、国交省にもしっかり確認をしてみる必要があるんではないか、このように思うわけであります。

◆福村章 委員 
 早速、そういうことも含めて調査を始めて、そして将来展望をしっかり県民に示していただきたいということを強く要望いたしておきます。
 あわせて、築後既に四〇年近くがたつエアターミナルビルの新築移転についても当然のことながら並行して考えていくべきだと思います。(…略…)

(資料C) 2019年3月小松市議会 議員提出議案第3号 小松空港の二本目滑走路の建設についての意見書

 小松空港は、一九六一年の開港以来五八年目を迎え、日本海側の拠点空港「北陸の空の玄関口」として航空輸送の発展の一翼を担い、国内外の人・もの・情報の交流に大きく貢献してきた。
 地域一丸となって需要の拡大に向けた取り組みを進めていることもあり、現在は、国内線六路線(札幌、仙台、羽田、成田、福岡、那覇)、国際線三路線(ソウル、上海、台北)が定期便として就航しており、また、ハワイ、マカオ、台湾、中国、韓国、タイ等、世界各地へ国際チャーター便も運航している。さらに、ルクセンブルクやアゼルバイジャンとの国際貨物定期便も就航しており、国際化が着実に進展している。
 加えて小松空港は、二〇一七年七月、国土交通省より訪日誘客支援空港に認定されたところであり、今年四月には、香港最大手のキャセイパシフィック航空の定期便が就航することとなり、今後、訪日外国人旅行客の増加を図るうえで一層大きな役割が期待されている。
 一方で、小松空港は航空自衛隊小松基地と民間空港が滑走路を利用する共用空港としての側面を併せ持ち、地域住民から国防や災害派遣等の安全保障に対する理解と協力を得ながら共存共栄が進められている。
 こうした中で、小松空港は民航機、自衛隊機、LCCや貨物便により利用されているが、滑走路が一本であることから、現在でも大きな制約を受けている上に、今後の利用拡大に向けては大きな支障となりかねない。
 よって、国におかれては、我が国の日本海側の拠点空港として、国防のみならず国際線の円滑な受け入れに向けた体制・機能の一層の強化を求めるとともに、国内外の人・もの・情報の交流に更なる貢献をしていくため、小松空港の二本目滑走路の建設に着手されるよう要望する。
 以上、地方自治法第九九条の規定により意見書を提出する。
  平成三一年三月二〇日
    衆議院議長 殿
    参議院議長 殿
    内閣総理大臣 殿
    財務大臣 殿
    国土交通大臣 殿
    防衛大臣 殿
    内閣官房長官 殿
石川県小松市議会議長  宮川吉男

◯一六番(川崎順次君)
 今三月定例会に会派自民などから提出されました議員提出議案第三号について、小松空港の二本目滑走路の建設についてでありますけれども、この意見書に対して反対の立場から討論をいたします。
 以下、理由を説明いたします。
 意見書を見ますと、国内線六路線、国際線三路線、国際貨物定期便が二路線となっており、今後、訪日外国人旅行客が増加が期待されると言っております。
 一方で、小松空港は航空自衛隊小松基地と民間空港が滑走路を利用する共用空港であり、地域住民から国防や災害派遣等に対する理解と協力を得ながら共存共栄が進められているとも書かれております。
 また、滑走路が一本であることから、現在でも大きな制約を受けている上に今後の利用拡大に向けて大きな支障となりかねないから二本目の滑走路が必要と言っておられます。
 もっと具体的に何が大きな制約なのか、大きな支障とは何なのか。二本目の滑走路をまずどこで計画をしようとしているのか。二本目の滑走路が現在の滑走路からどのぐらいの距離、幅を持たなければならないのか知って言われているのか疑問であります。
 小松市民は、今まで民航や基地の騒音に悩まされてきました。今、防衛省からいろいろと手厚い保障をいただき、今日があるわけであります。空港、基地周辺一〇五町も結成されております。国防に対し理解と御協力の上に今があります。でも、いまだ残念ながら解決には至っていないというのが現状であります。
 この意見書を今提出されれば、空港、基地周辺の方々は、どこにできるのかといった不安が脳裏を横切るのではないでしょうか。
 今までにも何町かが集団移転をされております。議員の中にも多数のこの一〇五町地域にお住まいされている方もおられるわけでございます。小松市民の皆さんに騒音問題をどう説明し、理解を得ようとしているのか。特に一〇五町の皆さんに対しては十分な説明が必要だというふうに思っております。二本目の滑走路となれば騒音は増していきます。
 今、小松空港に求められている大事なことは、外国人客がふえる対応ではないでしょうか。
 先日、県議会で自民党の藤井義弘県議会議員がターミナルビル改築を含め訪日外国人客の受け入れ強化を求め質問をいたしました。これに対して谷本知事は、今後も国際線利用客の増加が見込まれ、関係機関と連携協力を進めていかなければならないというふうには言っております。でも、滑走路の二本の必要性については一切触れてはおりません。
 また藤井県議は、ターミナルビルを改築する場合、近隣の市民が買い物や食事に訪れ、外国からの旅行者と交流ができる施設の設置を提案したものであります。
 市長も議会で答弁されていますが、国内外の貨物のターミナル、ストックヤードの建設が今後は大事になっていくとも言われております。私はそのとおりだと思っております。中国で猛威を振るっているアフリカ豚コレラなどの輸入畜産物の検疫も今後は必要になっていく施設というふうに思っております。小松空港に今一番求められている出入国管理の混雑の緩和、検疫などであります。
 滑走路が二本ある空港は日本で四空港、建設中が二空港、いずれも一日の着陸回数は二〇〇回から六〇〇回の空港であります。小松空港は一日、国内二〇便、国際三便、計二三便であります。第二滑走路の建設を要望する前提には、その必要方法や費用対効果の検証も必要ではないでしょうか。その議論もないうちに意見書を提出するのはいかがなものでしょうか。
 防衛省も、今、何の支障もないというふうに言っておりますし、この前の県の委員会でも部長はこの必要性はないというふうにも断言しておられます。
 基地の委員会、我々は二本目の滑走路の話を防衛省、基地に出しましたが、逆に何で要るのか、必要性があるのか、何の支障もない今の現状で滑走路の二本は要らないというふうにはっきりと自衛隊は言っております。
 この話については、会派自民の方々も基地対策特別委員会で一緒にいて聞いていたというふうに思いますがいかがでしょうか。
 したがって、小松空港の二本目の滑走路の建設についての意見書については時期尚早であり、ターミナルビルの拡充を図ること、機能強化をしっかりしていくこと、そこを何も書かれていないこの意見書に対しては賛同はできません。

◯9番(吉本慎太郎君)
 私は、議員提出議案第三号 小松空港の二本目滑走路の建設についての意見書に、会派自民を代表して賛成の立場で討論をいたします。
 小松空港が開港して、およそ六〇年であります。開港当初の二万人から今では一八〇万人を超える年間利用者へと拡大成長をとげております。
 現在、国内線では、羽田便を含めて六つの空港へ一日十九便。国際線では、ソウル、上海、台北便に加え、四月から香港便が就航し合わせて週十六便。加えて、国際貨物便として、ルクセンブルクからカーゴルックス航空が週三便、アゼルバイジャンからシルクウェイ・ウエスト航空が週二便、定期便として就航しています。さらに、タイ、ベトナム、インドネシアなどからの国際チャーター便も飛び、国内、国際の定期便を合わせると一日の発着回数は約五〇回を数える、まさに日本海側随一の拠点空港であります。
 国は二〇二〇年四〇〇〇万人、二〇三〇年六〇〇〇万人の訪日外国人を受け入れ目標としていますが、当小松空港は訪日外国人受け入れ促進空港に指定されており、この優位性を生かしながら、今後、まさに国際都市こまつの礎、そして石川県全体の地方創生のキーとなるのがこの小松空港なのであります。
 一方、小松空港は基地との共用空港でもあります。日本海側で一番大きいG訓練空域での実戦訓練が行われており、平成二八年(二〇一六年)六月、宮崎県の新田原基地から飛行教導群が移設され、現在では合わせて六〇機を使っての訓練が行われています。このほかにも日米共同訓練が行われ、加えて最近の近隣諸国の国際的緊張から史上最多のスクランブル発進が行われるなど、日本海側の国防の拠点基地の位置づけは年々高まる一方であります。
 しかも、小松基地は騒音対策として努めて市街地上空を飛ばないようにするために特殊な飛行経路、いわゆる中島方式を選定しており、これもまた滑走路の運用に当っての制約条件になっています。基地側としては、やむを得ず民航側に対して時間帯、曜日、チャーター枠の制限や制約を加えていますが、民航側としては一般の空港に比べ余りにも制約が多いのではないかとの声があることも事実であります。
 このように今現在、大変多くの民航機が発着し、また基地の訓練に多くの機が飛行するという中で、一本の滑走路を共用して使用する状況に今後どう対応していくのか、これからさまざまな関係機関の中でしっかりと検討していく必要があります。
 これを打破する一つの策が第二滑走路の建設整備なのであります。もちろん騒音対策に万全を期さなければならないことが大前提なのは言うまでもありません。
 小松空港の第2滑走路は、地方創生のキーとなる民航と国防を担う基地、双方にとって来る新時代に必要不可欠な施設であります。今このときが小松市議会として建設着手要望の意見書を提出する最良のときであると確信いたします。まずは意思をはっきりと示すことが大事なのであります。
 何とぞ各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げ、賛成討論といたします。

◯17番(橋本米子君)
 私は、ただいま上程されました議員提出議案第三号 小松空港の二本目滑走路の建設についての意見書について、反対の立場で討論を行います。
 以下、理由を述べます。
 議案第三号 小松空港の二本目滑走路の建設についての意見書の中には「小松空港は、一九六一年の開港以来五八年目を迎え、日本海側の拠点空港「北陸の空の玄関口」として航空輸送の発展の一翼を担い、国内外の人・もの・情報の交流に大きく貢献してきた」と述べられております。
 そして次に「こうした中で、小松空港は民航機、自衛隊機、LCCや貨物便により利用されているが、滑走路が一本であることから、現在でも大きな制約を受けている上に、今後の利用拡大に向けては大きな支障となりかねない」として、小松空港の二本目滑走路の建設に着手されるよう要望されております。
 そこで私は、現空港における滑走路増設について述べている国土交通省の資料を見てみますと、滑走路間隔についてこう述べております。滑走路間隔は、現在の管制方式基準による最少間隔三〇〇メーターでは、滑走路間に大型機が一時待機でき他の離着陸機への影響が出なく、一方、国際民間航空機関基準によると、最少間隔二一〇メーターでは、滑走路間での大型機の一時待機が他の離着陸機に影響が出るなど制約が大きくなると述べられております。
 このように滑走路の間隔については最低でも二一〇メーター、独立して運用するためには三〇〇メーターを確保する必要があるとしております。
 私は、この意見書が求めている二本目の滑走路の建設については、そもそも空港のあり方からの議論となり、現段階では賛成できません。

(資料D) 『小松の空から、朝鮮侵略のファントムを飛ばすな』第四集 1980年7月

 小松基地滑走路増設の論理は歴史的に、「民間航空の充実」にあった。二〇二〇年のいまも同じ論理で、政財界がうごめいている。一九八〇年の小松基地問題研究会の主張を再録する。

★基地周辺県有地のペテン的転売を弾劾する
 市民の皆さん! 注目してください。小松基地の拡張が着々と進んでいます。かつて石川県が工業用地にすると言って、買い取った基地周辺農地をこっそりと防衛庁=小松基地に売り渡しています。すでに七・六ヘクタールが防衛庁に売られました。残り四三ヘクタールについての交渉が始まろうとしています。
 私たちは今すぐにも立たねばなりません。「土地を返せ!」と叫ばねばなりません。
 私たちは第三集で、基地周辺の県有地が防衛庁に狙われていることを指摘しました。石川県土地公社の中田理事長は一九七六年五月四日につぎのように述べています。「小松工業団地は、将来は防衛庁関係に買ってもらう」
 小松市民の民さん! 県土地公社とは土地売買のための「トンネル会社」なのでしょうか? ウソをついて農地をかき集め、防衛庁(小松基地)に斡旋しているのです。防衛庁が農民から農地を直接買うと、基地に反対している農民や市民によって目的が阻まれると判断して、石川県や小松市を抱き込んで、土地買収工作をおこなっているのです。
 しかも、小松市長は自ら防衛庁の尖兵として、その「大任」を買って出ており、次のように言っているそうです。「小松基地の東側農地をも、防衛庁に買い上げてもらって、緑地帯にしたい」(一九八〇年春)
 これを単なるウワサとして、もみ消すことはできません。すでに小松市長と源助役は基地周辺農地の買収問題をめぐってつぎのように発言しているのですから。「問題の土地が小松空港や北陸自動車道に接し、確保することは行政上の至上命令だった」(一九七六年五月十八日、小松市長)、「工業用地や小松空港の拡張、地元産業の育成など、将来的な行政目的から積極的に(買収を)推進する立場にあった」(一九七六年五月十五日、源助役)

 この小松市長、源助役発言こそ、防衛庁と中西県政の基地周辺農地買収工作の全面的協力者としての小松市政をうきぼりにするものではないでしょうか。
 防衛庁の予算は年率八・三四%ずつ増加しています。中期業務見積もり(五カ年計画)を三年間でやることによって、防衛力=軍事力を飛躍的に強化させようとしています。
 小松基地でも防衛庁はドシドシと予算を使って、基地周辺の農地を買い占め、基地拡張を図っているのです。「騒音緩衝地帯」にするというもっともらしいキャンペーンを流しながら、市民の反対運動を逸らせて、基地拡張=基地周辺の無人化を狙っているのです。
 私たちは決然として、これらのごまかしの論理に立ち向かって、基地拡張阻止に起とうではありませんか。


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