■ジャングル・ラブ / 高見知佳 (日本コロムビア)
いゃ~~、今日もジメジメと蒸し暑かったんですが、皆様はいかがでございましょう。
で、そんな季節なればこそ、熱帯雨林のジャングル地帯をイメージしつつ、これがなんともアンバランスな都会派歌謡曲とでも称したくなるのが、昭和56(1981)年春に高見知佳が出した本日掲載のシングル盤A面曲「ジャングル・ラブ」です。
なにしろイントロから連打されるパーカッションの唐突性から無機質なドラムスで作り出される激しいビート、さらに曲タイトルを効果音で盛り上げようという仕掛けでしょうか、シンセ系キーボードで作り出したであろう猛獣の鳴き声みたいなSEはご丁寧過ぎる感もございましょうが、作詞:安井かずみ&作曲:加藤和彦が提供しているのは基本的には、アップテンポの所謂イタリアンツイスト系オールディズ歌謡なんですねぇ~~♪
ただし、失礼ながらメロディ展開にイマイチのフックが不足しているだけに、バックのカラオケパートのニューウェイヴっぽさが目立ってしまい、せっかく素っ頓狂なハッスルボーカルを演じた高見知佳の個性が完全に発揮されていないのは???
また、アレンジが加藤和彦っていうクレジットにも、聊かの疑念を抱いてしまうんですが、いかがなものでしょう。
しかし、これが当時のテレビ歌番組に出演して見せる彼女の弾けっぷりは強烈で、なんだか端切れの布で作った様な極小ミニスカワンピースでの振付アクションは、もはやパンツ見せ寸前でありながら、決して……、そ~はならないという思わせぶりがニクイばかりでありました。
もちろん、これがライブステージであれば、当然ながら彼女が立っているのは客席よりも高い場所ですから、当時のファンのドキドキ感は想像以上であり、それに接しえなかったサイケおやじは、なんとも今も羨ましさと妄想に苛まれるばかりでございます。
ということで、高見知佳は歌手というよりも、バラエティ番組での活躍が強い印象を残したアイドルでしたが、その基本姿勢は、こ~ゆ~破天荒なアクション歌謡をやれる度胸があればこそ、今に繋がるアイドルタレントが持ち合わせなければならないプロ意識は、今も不滅と思っています。
うむ、昭和の夏も暑かった……、その記憶も消え去らずです。