OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

野良猫とガールズ

2010-09-13 16:49:16 | 日本のロック

野良猫 / Girls (フィリップス)

先週末、某所で行われていたグラビアアイドルの公開入浴!

という、とても嬉しイベントに遭遇しました♪♪~♪

どうやらボディシャンプーのキャンペーンだったらしいのですが、それでもバスタブがきっちり用意され、ナイスバディの可愛い娘が泡まみれになるという企画は最高!

もちろん彼女達は全裸ではなく、露出度満点のキワドイ水着姿だったところが、逆にOKでした♪♪~♪

いゃ~、長生きして良かったと思いましたですねぇ~♪

さて、こうした公開キャンペーンは芸能界では当然の企画として、特に新人歌手には必須の行事なんですが、そこで思い出したのが、本日ご紹介のガールズというバンドの事でした。

で、掲載したシングルは、そのガールズが昭和52(1977)年春に出したデビュー盤なんですが、ジャケットをご覧になれば一目瞭然、かなりイケイケなお姉ちゃん揃いながら、彼女達は完全なるロックバンド!?!

つまり我国のガールロックバンドでは、堂々のメジャーデビューを果たした先駆けというわけです。

メンバーはリタ(vo)、イリア(g,vo)、レナ(g,vo)、ジニー(b.vo)、サディ(ds) という5人組で、メンバーのイニシャルを繋ぐと「GIRLS」になるという経緯は、如何にも芸能界らしい後付けかもしれません。

そして既に皆様がご推察のとおり、彼女達がデビューにあたってお手本としていたのが、下着姿でライプをやることでブレイクしたアメリカのランナウェイズというバンドで、そのおかげもあってのデビュー曲「悩殺爆弾 / Cherry Bomb」は、日本でも大ヒットしていますが、本国では完全なるキワモノ扱いだったようです。

今となってはメンバーにジョーン・ジェット(g,vo) が在籍していたことの方が有名でしょう。

しかしリアルタイムの日本では人気が高く、確か来日公演も盛況でしたし、男性週刊誌のグラビアも飾ったランナウェイズの影響は絶大! 決して否定されるべきものでは無いでしょう。現実にガールズがデビューしたのも、それがあればこそです。

ところが件の来日公演で明らかになったんですが、ランナウェイズが下着姿になるのはアンコールの時だけで、それゆえに最後に歌われる前述の「悩殺爆弾 / Cherry Bomb」は効果満点!

もちろん、そのあたりを芸能界的に拡大解釈したのが、ガールズと言ってはミもフタも……。

ですから、ロックな野郎どもがスケベ心を抜きにすれば、ガールズに先入観を抱いてしまうのも、当然でした。

さて、そうした下地があった同年春の某日、サイケおやじは後輩の誘いに応じ、ガールズのキャンペーンライプに出かけましたが、正直、気乗りはしていませんでした。

なにしろ、当時は女にロックは出来ねぇ~!?!

そういう風潮もありましたし、如何にも芸能界的なデビューが面白くもありませんでしたからねぇ……。

また彼女達は失礼ながら中途半端にルックスも良かったことから、宣材写真やポスターを見てしまえば、話のネタぐらいにはなるだろうと思ったわけです。

ところが実際に彼女達の演奏に接すると、これがバンドアンサンブルも纏まっているし、適度な荒っぽさが、結果的にロックしていたという、なかなか悔しい気分でした。

しかも誘ってくれた後輩は、どうやらガールズのメンバーのひとりに一方的な片思いしていたらしく、ほとんど親衛隊の如きノリで熱心にプロモーションしていたのです。なにしろこのシングル盤は、その後輩が自腹で大量買いし、友人関係にバラまいていたという真相の中で、サイケおやじもキャンペーンに来てくれた事のお礼にプレゼントされたというわけです。

で、気になる楽曲は作詞:鳴海昌明、作曲:小田裕一郎、編曲:矢野誠という、なかなか凄い面々が関わっていますから、スタジオで仕上げられたシングルバージョンは、タテノリビートのファンキーロックをベースにした歌謡ロックの秀作♪♪~♪

ツッパリな歌詞と覚え易いキメのメロディ、意図的なアレンジによって演奏テクニックが上手く目立つようなプロデュースもニクイばかりで、しかも絶妙なスタジオの魔術が冴えています。

おまけにライプの現場では、ボーカルのリタが期待どおりのセクシーな衣装で、しかも生意気なアクションで歌ってくれるんですから、こちらのスケベ心も全開♪♪~♪ もちろん他のメンバーも各々が、もしかしたら……♪ と思わせてくれる存在感がありましたですねぇ~♪

そして、このデビューシングルは思惑どおりにヒットし、テレビの歌番組にも出まくったわけですが、良識派を自認するロックマニアは苦笑いだったと思いますし、中にはマスコミで堂々と彼女達をバカにした発言をする評論家の先生も!?!

まあ、それはB面収録曲が前述したランナウェイズの「悩殺爆弾」をカパーしていたことにも、一因があるのかもしれません。

しかしサイケおやじは、けっこうガールズが好きでしたよ。

なんというか、芸能界ノリだったとしても、彼女達は真剣に演じていたと思うんですよねぇ。

実は結論から言えば、シングルを出す度に急速にアイドルポップス化していったのはご存じのとおりなんですが、営業では相当に売れていたと言われていますし、なによりも解散までの2年間、きっちりロックバンドとしての体裁を維持していたのは、当時の芸能界を知っている皆様ならば、凄いことだと実感されると思います。

ちなみにメンバーのその後としては、イリアがジューシー・フルーツに参加してヒットを飛ばしたのが一番有名でしょう。

ということで、今となっては、やっぱりキワモノという評価が強いようですが、後に登場してくるガールロックバンドの中では、一番に毒気があって胡散臭い雰囲気が如何にも「昭和」です。

そしてサイケおやじは、メジャーで堂々のキワモノを真剣に演じる、ガールズのようなバンドが忘れられないのでした。

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ダイナマイツとトンネルぬけ... | トップ | ホノボノと美しいローラ・ニーロ »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
さくらんぼ爆弾 (TK)
2010-09-13 18:07:16
ガールズ、一度ライブを見ましたよ。

確かにキワモノ扱いだったけどラナウェイズは今聴いても面白いかも。


ジョーン姉御、今もパンク少女とかに根強い人気あります。

昔カラオケボックスでパンツ1枚になってマイクコード太ももに巻き付けてチェリーボム歌った事があり、冷たい視線を浴びました
返信する
懐かしや (みカン)
2010-09-13 22:53:15
同時期にガールズバンドをやっていました。(といっても文化祭で3曲演っただけなのですが。。。)ランナウィエズは女の子からも憧れの的でした。伝記映画『The Runaways』も来年当たり公開のようですね。

ガールズの「夜のヒットスタジオ」出演youtubeで観たのですが、演奏中の不良っぽさとじゃ裏腹にインタビューの時は大人しい良い子風でしたね。音楽好きで真面目に演奏してる子達という印象でした。実際70年代当時は洋楽のリスナーで演奏までするのはある程度環境の恵まれた子達だったように思います。
歌詞の方は、あらためて聴くと、ロック系不良→世の中の既成観念に疑問を呼びかけ時に挑発する…というより、普通の不良(当時でいうズベ公)で、むしろ曲名の通り東映の「野良猫ロック」のヒロイン達を彷彿させますね。

懐かしくてつい長文になってしましました!
返信する
宴会爆弾 (サイケおやじ)
2010-09-14 16:45:47
☆TK様
コメント、ありがとうございます。

宴会芸としてのチェリーボムは、不滅ですよ(笑)♪
まあ、野郎がやるところに味わいがあるんですがねぇ~♪

ジョーン姐さんは、ライブにも接しましたが、迫力と意気地が良かったです。
返信する
ガールロックバンド (サイケおやじ)
2010-09-14 16:51:39
☆みカン様
コメント、ありがとうございます。

ランナウェイズの映画は、私も楽しみにしています♪

当時の芸能界は芸風としてのツッパリは歓迎でしたが、あとは上下関係とか礼儀とか、相当に重んじられていたようですよ。
ガールズの場合は、あくまでも歌謡ロックですから、無用な不良性よりは、セクシーさを求められていたのかもしれません。
リアルタイムの映像復刻が望まれますね。

あとガールロックバンドは、今となっては普通でも、昭和50年代ぐらいまでは、珍しさとキワモノ扱いの壁と戦う意識が、ファンの共感を呼んだ気がしています。
返信する
不良債権と同類の扱い!!! (名無し)
2016-08-02 00:45:08
不良債権と同類の扱いだと思います。債権を再生させる積もりで投資する気持が大事だからです。銀行等の金融機関だけではなく、他の債権回収業者(サービサー)や投資事業会社等も債権再生ビジネスに次々と参入しています。女性アイドルも同じです。育て乍も、投資元本以上の回収や投資で得た利子・配当獲得する事が至上命題です。
返信する
曖昧ですが (上星川)
2021-04-25 22:37:28
当時のロック雑誌か何かの対談で世間からはランナウェイズの真似と言われますが、実はロッキーホラーショーの影響ですと答えていた記事があったような・・・
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本のロック」カテゴリの最新記事