OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ワウワウの不死鳥

2014-11-09 14:24:44 | 日本のロック

恋するラ・ラ・ラ c/w 涙のシルビア / ザ・フェニックス (キングレコード)

所謂カルトGSの中でも歴史的な意義も含めて人気を集めているのが、本日ご紹介のフェニックスというバンドです。

それは日本で最初にワウワウ使用のギターサウンドをレコーディグしたという事らしいんですが、残念ながらサイケおやじは、それを確定的に言える論拠を持ち合わせていません。

しかし、そうだと言われる掲載のシングル盤を実際に聴いてみれば、確かにワウワウや創意工夫が感じられるSEを巧みに導入したサウンド作りは、これが発売された昭和43(1968)年1月の我が国ロック事情に鑑みて、なかなか前向きだったように思います。

尤も結果的にフェニックスはブレイクしなかったので、実はサイケおやじもリアルタイムよりは後になって掲載盤を入手し、噂になっていたワウワウ云々を確認したにすぎないのですが……。

その背景にはフェニックスが寺内タケシの肝煎りで結成されたという経緯があり、ですからサウンド作りの要に当時の最新兵器(?)だったワウワウを繋いだギターをウリにしていたのも、あながち実験的なキワモノとばかりは言えないでしょう。

そして椿哲也(vo)、栗山正(g)、藤野寿夫(g)、山田光治(org)、宮崎重夫(b)、鈴木二郎(ds) という6人組は、寺内タケシが率いるバニーズの弟バンドとして、テリーズと共に勇躍期待され、その頃に彼等のライブステージに接したという知り合いからの話では、相当に演奏も上手かったそうですから、やはり本物志向だったんじゃ~ないでしょうか。

実際、デビュー作として発売された掲載盤A面曲「恋するラ・ラ・ラ」は作詞:鈴木二郎&作曲:栗山正による、つまりはバンドオリジナルのR&B系ガレージロックで、メンバー紹介っぽいイントロから歌われるノーテンキな独り善がりの恋模様が硬質にドライヴするベースやバシャバシャなドラムスにノセられ、しかも間奏やオカズのフレーズにはワウワウペダルを駆使したリードギターが最高にサイケおやじに好みなんですよ♪♪~♪

う~ん、昭和43(1968)年初頭の段階では、なかなかニューロックしていた日本のバンドかと思うばかりですし、ここでのリードギターをコピーしてみると、ワウワウのタイミングのリズム感は流石と脱帽です。

このあたりはあくまでも結果論ですが、ちょっとばかり進み過ぎたところが大衆的ではなかったのかもしれません。

それは寺内タケシから提供されたB面曲「 涙のシルビア」で更に深まったというか、ワウワウに加えてエコーマシン(?)のようなエフェクターまでも堂々と使ったサイケデリックな仕上がりは、当時の日本では異端に近い感じでしょうか。おまけに遊んだようなボーカルの歌いっぷりの潔さも埋もれさせるには勿体ないほどなので、機会があれば皆様にはぜひともお楽しみいただきたいわけです。

ということで、久々に聴いてみても、これはGSブーム期の秘宝の1枚である事をあらためて痛感しています。

今となってはフェニックスも、これを含めてシングル盤2枚ほどしか残せず、失礼ながら泡沫組のバンドではありますが、その密度の濃さは時が流れても、我が国のニューロックの先駆けの証として、聴き継がれるに違いありません。

あぁ~、彼等のライブ音源が聴いてみたいなぁ~~~。

そんな願いを再燃させているのでした。

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4 コメント

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奇跡の再結成 (GSに一生を捧げる男)
2014-11-10 06:11:34
フェニックスは08年に横浜で開催されたGS大会でオリジナルメンバーが全員揃っての再結成を果たしたのですよ!
「恋するラ・ラ・ラ」を生で聴く事ができて大満足でした!
残念ながらその後、ヴォーカルの椿さんが亡くなられたということで、貴重なライブ体験となりました!
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心して、聴きましょうね (サイケおやじ)
2014-11-10 12:12:14
☆GSに一生を捧げる男様
コメント、ありがとうございます。

おぉ、実に羨ましいライブ体験ですねぇ~~♪
再結成といっても、なかなか全員が揃わないのはバンドというジャンルの宿命なんですが、やはり注入されるエネルギーが違いますよ。

往年のGSメンバーは鬼籍に入られた人も増えてきましたが、これからも残された音源は大切な宝物と思うばかりです。
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Unknown (初草原)
2022-05-11 18:54:12
前年の
バニーズ/太陽の花でワウワウかけてカッティングしるような気がします
涙のシルビアはボーカルにかけたトレモロもいいですね
返信する
恋の熱帯魚ワウワウ (ザ・ハンターズ)
2022-05-12 13:24:59
ザ・フェニックスは、テリーズに続くバニーズの弟バンドとして1967年10月1日に結成された。
リーダーの宮崎重夫が率いる6名のメンバーは、寺内タケシ プロデュースにより、油壺で1ヶ月に渡るスパルタ教育の合宿を受け、翌年の1968年1月20日「恋するラ・ラ・ラ」でレコードデビューをした。
ワウギターを駆使した曲で、マスコミには話題にあがったものの、大きくヒットするまでには至らず、続く5月リリースの「グッドバイ・ベイビー」もサウンドに凝った曲ではあったが、これもヒットするまでには繋がらなかった。
レコードリリースはこの2曲だけで終わってしまったが、東京や横浜のジャズ喫茶で連日活躍しており、寺内企画一番の黒字バンドだった。
途中、宮崎重夫と藤野寿美男が脱退、佐々木秀実が加わり再編成して活躍していたが、GSの衰退と共に1970年に入り解散した実力の有るバンドであった。
2008年6月14日(土)、神奈川県民ホールで催された『GSフェスティバル2008 "僕たちの青春”』にはメンバー全員が参加し当時の曲を熱唱した。
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