OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ワイルドでいきたい!

2010-01-17 10:28:14 | Rock

ワイルドでいこう! / Steppenwolf (Dunhill / 東芝)

アメリカ産ハードロックといえば、本日ご紹介の「ワイルドでいこう! / Born To Be Wild」は絶対、外せないでしょうねぇ~♪

キリッとしたロックビートで初っ端からテンションが上がりまくっているイントロは、実にシンプルなリズムギターとタイトなドラミングが、その全て! そして野太いボーカルとエグ味の強いオルガンの響き! なによりも刹那的な雰囲気さえ滲む曲メロのカッコ良さ!

ところが最初に発売された1968年初夏には売れず、翌年になってバイカームービーの傑作「イージーライダー」の挿入曲のひとつとして、リバイバル的に大ヒットしたのもムペなるかな! 本篇での橋を渡るシーンで使われた「ワイルドでいこう!」の印象は、人生を変える勢いさえあるんじゃないでしょうか。

父親からの遺伝の所為か、子供時代からバイクが大好きだったサイケおやじには、梅宮辰夫主演の「不良番長」シリーズの主題歌「番長シャロック」と並ぶ、決して避けることが出来ない運命の名曲名演だったかもしれませんから、映画のスチール写真が転用デザインされた掲載のシングル盤をゲットしたのは、必然の成り行きでした。

ちなみに映画「イージーライダー」は制作がピーター・フォンダ、監督&脚本がデニス・ホッパーで、もちろん2人が主役を務めたという、ちょいとばかりインディーズ系の作品ですから、資金の関係でオリジナルの音楽を頼む余裕がなく、そこで既成のロックや大衆音楽を使ったと言われています。そしてサントラ音源にはザ・バーズ、ジミヘン、ザ・バンド等々といっしょに、ステッペンウルフの「ワイルドでいこう!」が使われたというわけですから、ある意味では瓢箪からなんとやらでした。

しかし、そのキャッチーで勢い満点の歌と演奏は永遠に不滅の魅力として、これまでにも度々、放送CMに使われてきたことを思えば、嬉しくなるのです。実際、あのイントロを聴くだけでワクワクしてきますし、さらに全篇を聴きとおせば、オルガンソロの最後で炸裂するブレイクのドラムスのカッコ良さにシビレが止まらなくはずです。

肝心のステッペンウルフは1968年初頭にレコードデビューしたアメリカのグループで、メンバーはジョン・ケイ(vo)、ゴールディ・マックジョン(org,p)、ジョン・セント・ニコラス(b)、ジェリー・エドモントン(ds) をメインにマイケル・モナーク(g)、あるいはラリー・バイロン(g) が交代参加していた5人組という、当時の典型的なロックバンドですが、その魅力はハードドライヴィングな演奏とワイルドな声質で歌いまくるジョン・ケイの存在でした。

そして実際、我国でも1970年代に入ってからの最初の1~2年は人気絶頂で、本国アメリカではヒットしなかったシングル曲も、ラジオ中心の洋楽チャートに入っていたほどですし、個人的にも「スキ・スキ・スー / Sookie」あたりを聴くと、今でも血が騒ぎます。

で、この機会に書いておきたいのは、ロックとバイカーに関する個人的なポジションです。

一般的なイメージではバイク愛好者はロック好きで、皮ジャンにヘビメタ、あるいはキャロルや横浜銀蝿なんかのツッパリR&R、それが高じた暴走族御用達の外道! そんな「つるんだ」アウトローな受け取られ方になっているんでしょうが、サイケおやじは若い頃から暴走族は大嫌いで、ちなみに当時は狂走族と呼ばれていたんですが、所謂「飛ばし屋」なんて言われるのも迷惑でした。

というのも、私は「つるんで」何かをやるというのが自分の感性に合っていません。

そして映画「イージーライダー」で描かれたような、バイクとロックを自由の象徴にしながら、結局はある日突然、自然に不条理な死を迎える生き方に共感を覚えるのです。

それは悪いクスリの運び屋をやって稼ぎ、気儘な旅に出る2人のバイク野郎に仮託された夢と現実の儚さとして、今日に至るも私に大きな影響を与えてくれたものです。

もちろんサイケおやじにしても、若い頃は歩道橋をバイクで駆けあがったり、本当に気の合う仲間とツアーしたり、遠く離れた映画館や中古盤屋を巡る時には必要不可欠な道具として、自分のマシンと関わってきましたから、清廉潔白だとは決して言えません。

そして今では、すっかり中年者の変態バイカーを「きどる」だけになっています。

だからこそ、「ワイルドでいこう!」を聴き、ワイルドでいきたい!

ますます、そう思うのでした。

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4 コメント

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一発屋でもOK (サイケおやじ)
2010-01-18 12:58:59
☆TK様
コメント、ありがとうございます。

一発屋にしても、これほど永遠のロックアンセムを出せれば本望じゃないでしょうか。

バイクでの昔のワルさは、若気の至りでご容赦願います。
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Unknown (TK)
2010-01-18 08:49:08
確かにイントロで血が騒ぎますよね、ステッペンウルフ=この曲で、気がつくと この曲しか思い浮かばないダメな私(笑)

歩道橋をバイクで駆け上がりましたか~、渋い。
返信する
共感と同感 (サイケおやじ)
2010-01-17 18:43:30
☆あずき様
熱いコメント、感謝です。

音楽でも映画でも、良い作品って時代の空気が封入されていると思うんですよ。
だからリアルタイムからの共感は当然ですし、後追いで鑑賞しても、シビれるところは同じだと結論づけています。

さっきまで、久々に「イージーライダー」のDVD、観てしまったです♪
返信する
Unknown (あずき @ねこや)
2010-01-17 12:55:01
この曲良いですね~。
今でも聴くとわくわくします。
イージーライダーもかっこ良かったです。
映像と音楽が決まりすぎるくらい決まっていて
何度も観に行きました。

このころ、映画もロックもすごく勢いがあったような気がします。
たまたま自分の感性に合う物が多かっただけかも知れないですけど。
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