OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

これも素っぴんのザ・バンド

2014-09-05 11:57:37 | Rock

Crter Barron Amphitheater Washington Dc July 17th / The Band (Keyhole = CD)

 01 Don't do it
 02 The Shape I'm in
 03 It Makes No Difference
 04 The Weight
 05 King Harvest
 06 Twilight
 07 Ophelia
 08 Tears of Rage
 09 Forbidden Fruit
 10 This Wheel's on Fire
 11 The Night They Drove Old Dixie Down
 12 The Genetic Method
 13 Chest Fever
 14 Up On Cripple Creek
 15 The W.S.Walcott Medicine Show

これまた嬉しいザ・バンドのアーカイヴ物、と書きたいところなんですが、サイケおやじがイマイチ、素直に喜べないのは中身がラジオ用放送録音として既にブートで出回っていたブツと大差無く、しかも現在ではネットで普通に聴ける音源という正体があるからです。

しかし、だからと言って、これがダメという論法は成り立つはずもなく、例の「ラストワルツ」による解散を目前に控えた、1976年7月17日のライブステージを、一応はオフィシャル扱いの音質で聴けるのですから、ありがたや♪♪~♪

そういう感謝の気持ちを忘れてはならないと思うわけです。

何故ならば、ここに収められたザ・バンドのライブにはホーンセクションも付いておらず、オーバーダビングも無いと推測される、極めて「素」に近い彼等の日常的な歌と演奏に接する事が出来るのですからっ!

特に当時はボロボロになっていたと言われるリチャード・マニュエルが、「Tears Of Rage」の刹那の名唱を筆頭に「The Shape I'm in」「King Harvest」「Chest Fever」等々で魂の歌を聞かせてくれのは高得点♪♪~♪

なにしろオフィシャルの「ラストワルツ」じゃ~、リチャード・マニュエルの出番が大きくカットされていましたから……、サイケおやじとしては大袈裟かもしれませんが、感極まるというわけです。

決して良いコンディションとは言い難い声の状態が、これほど逆手に活かされたのは流石とばかりも思えませんよ。

それともうひとつ、特筆しておきたいのがリック・ダンコの絶好調さで、十八番の「It Makes No Difference」は分かっちゃ~いるけど、たまりません♪♪~♪ もちろん躍動的でハートウォームなベースプレイも演奏全篇で素晴らしいかぎり♪♪~♪

また、リヴォン・ヘルムの熱血も頑固なミュージシャン魂の発露という感じで、ご存じのとおり、この頃にはロビー・ロバートソンとの確執は修復不能とまで言われていたようですが、歌や演奏の現場では手抜きが出来ない体質というか、基本的に「好き」なんでしょうねぇ~~、本当に憎めません。

ですから最初は幾分のギクシャク感が滲んでいたような演奏もプログラムが進んでいくにつれ、ユルさとタイトなグルーヴが絶妙に化学変化(?)するような、これぞっ! ザ・バンドだけが醸し出せる最高のノリに繋がっているのは言わずもがな、「Forbidden Fruit」「This Wheel's on Fire」「The Night They Drove Old Dixie Down」と続く中盤三連発は、結果的にハイライトかもしれません。

ガース・ハドソンの緊張と緩和が見事なサポートも存在感が強く、主役となっている「The Genetic Method」から「Chest Fever」のイントロ部分で披露するキーボードプレイは、生半可なプログレバンドなんか、お呼びじゃ~ないっ!

うむ、誰一人欠けても成立しえないザ・バンドの音楽を更に個性的にしているのが、ガース・ハドソンなんでしょうかねぇ~~。

あぁ~、この「Chest Fever」の強引なノリ!

そして既にして大団円の如き「Up On Cripple Creek」の高揚感!!

と、ここまで書いてきても、なかなか触れられないのがロビー・ロバートソンのあれこれ……。

もちろん随所で炸裂させる「カキクケコギター」はウルトラな必殺技であり、グッと惹きつけられてしまうですが、前述「ラストワルツ」以降に開陳された様々な裏事情や内部の人間関係を知ってしまうと、何故かこうした素晴らしい音源の発売そのものに守銭奴的な思惑が滲んでいる感をサイケおやじは打ち消せません。

なにしろ近年のザ・バンドのアーカイヴ商法をリードしているのは、リチャードもリックも、そしてリヴォンも天国へ召されて後に活性化した事を思えば、やはりロビー・ロバートソンの独壇場でしょうから……。

しかし同時に、メンバーが今も過去に拘っている状況が続いていたとしたら、それは悲喜こもごも、全く複雑な心境に追い込まれてしまいますが、そんな気分ではあっても、再びこのCDをド頭から鳴らしてみると、リアルタイムのザ・バンドが如何に最高のロックをやってくれていたかに感動ですよ♪♪~♪

それはオーラスの「The W.S.Walcott Medicine Show」の屈託の無さに収斂するという、こうした「荒っぽい」ザ・バンドが、なかなかサイケおやじを浮かれさせてくれた事実に感謝♪♪~♪

正直、以前に出た映像込みの無駄に豪華なアンソロジーや「ロック・オブ・エイジス」の水増し4枚組よりも、これが好きになったほどです。

ズバリ! デカい音で鳴らすほど、良しっ!!

ということで以上、不遜な事も書いてしまいましたが、度々触れた「ラストワルツ」との関連では、公式&未発表の映像と音源を纏めたブートDVD「The Last Waltz Complete With Naked Sound」をご覧頂ければ尚更に、このCDを楽しめるように思います。

そして誰が何と言おうとも、さらにサイケおやじの心持ちがブレまくったとしても、これからもザ・バンドの音源が蔵出しされる事を切望しているのでした。

 

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