OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

やっぱり日本盤シングルは魅力

2011-05-17 16:10:55 | Beatles

ひとりぼっちのあいつ / The Beatles (Capitol / 東芝)

昭和41(1961)年4月に発売されたビートルズの日本盤シングルなんですが、ご存じとおり、AB面2曲共、本来は前年12月にイギリスで発売された名盤LP「ラバーソウル」に収録されて世に出たものです。

それが当時の業界の事情から、アメリカではビートルズのアルバムが本国イギリスとは別仕様の編集盤として発売されていたことから、前述の「ラバーソウル」にしても、この「ひとりぼっちのあいつ / Nowhere Man」は外されています。

そこでアメリカでは、1966年2月にピカピカの新曲扱いとして、このカップリングシングルを発売したわけですが、我国ではその両方の事情が並立していた所為でしょうか、アルバムとしての「ラバーソウル」は同年3月、きっちりとイギリス盤仕様で売り出されていますから、このシングルはそこからのカットという扱いでした。

しかし、このジャケ写に用いられたショットはメンバーの目線が揃っていないという、なんともトホホな1枚であり、おまけに翌月に来日記念盤として出された「ステレオ! これがビートルズVol.1」のデザインに使い回されるという真相は、当時のレコード会社の苦労が窺い知れますねぇ。

このあたりはもちろん、シングル盤と言えどもピクチャースリーブに拘りぬいていた我国の美しき慣習のおかげでもありますから、一概に非難することは出来ないでしょう。むしろそうした楽しみを後世に残してくれた当時の担当者に感謝するべきだと思います。

なによりも海外の情報が少なかった当時、たとえダブっていようとも、憧れの洋楽スタアの写真は1葉でも貴重でしたし、それを見るワクワクした気分は今日、絶対に味わえない喜びだったのですから!

ということで、日本盤シングル最大の魅力は、こうしたピクチャースリーブの存在でしょう。もちろんレコードに記録された音楽そのものも大切ではありますが、ネットで音だけを曲単位で買える現代にあっては、ますますそうした思いを強くしているのでした。

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3 コメント

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いたれりつくせりだったのが日本盤ですね。 (HOOP)
2011-05-19 11:25:59
これまたマブシくもある
貴重なオデオン盤ジャケに見とれてしまいましたが
ピクチャースリーヴが国内盤オンリーだったのを
知ったのはだいぶ後になってからでした。
後に海外でもチラホラ付属しているEPを
見かけることがありましたが
以前に知人から海外旅行のおみやげに戴いた
コステロのEPは不愛想なインナースリーヴみたいなのに入っているだけで
有り難みのないものでガッカリしたものです。
それに比べT.レックス・カンパニー時代の
初期のEPのスリーヴは豪華でしたよね、
二つ折りでも納得ながら
三つ折りのスペシャルなものが
多く見かけられたのを憶えています。
先に紹介されました『チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション』もしかり
『イージー・アクション』もしかり
T.レックスの国内盤EPは派手々々の権化で
当時はお得感で満たされていました(^^)。
そういえばシルバーヘッドのEP
『エース・スプリーム』も縦一三つ折り仕様
だったでしょうか、
バックに特色になりますゴールドを
一面にあしらっていたところからなる5色刷印刷は
結構なコストが掛かってると思われ
現在ではおそらく復刻は無理なのではと。
("20センチュリーボーイ"では銀バックでした)
メーカーの思いがヒシヒシと伝わって来る仕様に
今さらながら感心させられるばかりです。
あと対訳の記載も有り難かったです。
ちなみに僕のお気に入りのピクチャースリーヴは
ホークウィンド(厳密にはキャプテン・ロックヒート&スターファイターズ名義)の
『エジェクション』になりますが
未だにあしらわれたイラストの出元が判明しません。
サイケおやじ様がご存知でしたら
教えて戴けましたら幸いです。
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ピクチャースリープ (サイケおやじ)
2011-05-20 15:06:13
☆HOOP様
コメントありがとうございます。

思えばグラムロックそのものがギンギラギンの派手仕様というイメージでしたから、ジャケットデザインも追従する他はなかったのでしょう。我が国でも加藤和彦とか、逸早く流行を取り入れたファッション&音楽を実践した偉人もおりましたですね。

ご質問のホークウインドのジャケットついては、現物を持っていませんが、往年のアメリカで流行ったSFパルプマガジン調のイラストじゃありませんか? 出典は知りませんが、雰囲気はそんなところだと思います。

それと海外盤シングルのピクチャースリーブは人気者とかレコード会社イチオシのミュージャンしか使えなかったのが現実でした。しかし案外、ヒットしていないブツも多くて、面白いですよね。探すのは大変に困難ではありますが、出会った時の喜びは絶大なのでした。
返信する
貴重なEP盤ですね。 (あたやん)
2018-07-10 18:14:03
初めまして、あたやんと申します。私もこのEP盤の赤盤をオ-クションで超高額で落札しました。なかなかオデオンの貴重盤との事なので、是非とも入手しなければと思い何とか手に入れました。『ひとりぼっちのあいつ』は何度聴いても癒されますね。一生、大切にしたいEP盤です。
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