■モーニング・ブルース / 沢知美 (日本コロムビア)
昨日ご紹介した「恋泥棒 / 奈美悦子」と同じ時に入手した1枚なんですが、こちらは価格も捨値ということで、当然ながら不完全なブツ……。
それはジャケットの傷みは掲載画像どおりで、特に一番痛いのは本来が見開き縦位置の下の部分が完全に欠落している事でした。
というのも、既に皆様がご推察のとおり、白いワイシャツを素肌(?)に着る、その下半身はなぁ~~んにも無し! という男を真に熱くさせるファンション&ポーズがキメになっているんですからねぇ~~~♪
所謂「エロジャケット」のひとつとして、今日まで各方面で紹介され続けてきたコレクターズアイテムなんですよっ!
もう、そのジャケットだけで物欲とスケベ心が刺激されるのは、レコードの中身を歌っている沢知美の本職がモデルであり、しかも深夜テレビ番組の例えば「11PM」や男性週刊誌のグラビアでセクシーな存在感をたっぷり知らしめていた美女という真実に準拠しています。
しかし同時に歌手としての実力も決して侮れません。
最初にレコードデビューしたのは昭和42(1967)年頃だったそうですが、大きなヒットも出せないうちにアルバム「人の気も知らないで」が作られていた事で、それは証明されていますし、かなり以前にCD復刻された時、サイケおやじは友人から聞かせてもらった瞬間、決してモロではないエロスを内包した歌唱表現にシビれきったほどです。
そして今となっては、この曲を含むボートラ付きのそれを入手しなかった自分に対し悔いが残るばかり……。
ですから、こぉ~なったらアナログ盤で「沢知美」を蒐集と決意を固めている次第ですが、これがなかなか困難を極めている事は言うまでもありません。
実はこのシングル盤にしても、ジャケットの破損の他に、B面には釘ででも引っ掻いたかのような大きな傷がいっぱいあって、とても針を落せる状態ではありません。
あぁ、悔しいなぁ~~~~!
しかし、ここはA面「モーニング・ブルース」を堪能して、愚かな自分を慰めるしかないでしょうねぇ。
というよりも、まずはこれをゲット出来た現在の幸せに感謝するのが本当でしょう。
そして肝心の楽曲は昭和45(1970)年に発売された、作詞:石本美由紀&作曲:米沢武士の手によるジャジーでお洒落な歌謡ブルースで、郷徹也のアレンジも堅実なサウンドプロデュースに沢知美の歌いっぷりは雰囲気満点♪♪~♪
まさに歌謡曲とジャズブルースの幸せな結婚としか言えません♪♪~♪
こういう味わいは、ちょいと今の女性歌手には求めきれないものだと思います。
残念ながら彼女はヒット曲と認定されるようなレコードは残していませんが、それでもサイケおやじが調べた限りではシングル盤が17枚にLPが2枚、そしてカセットテープやカーステレオ用の8トラックカートリッジ等々における企画物が相当に作られていたと言われていますから、こうした音源を纏めた復刻を決死的に熱望しております。
また映画出演もちょい役ではありますが、これまた多いようで、例えば昭和43(1968)年の「100発100中・黄金の眼(東宝・福田純監督)」あたりは復刻も……!?!
ということで、今となっては地味だったかもしれませんが、沢知美のような美しい才能が活動していたからこそ、「昭和」は面白かったと再認識!
決してヘアヌードとか、モロ出しの世界に入らなくとも、ナチュラルに成熟した女性の魅力はこれほど素敵! それを青少年に目覚めさせてくれただけでも、忘れられないひとりじゃないでしょうか。
サイケおやじは彼女が大好きです。