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サイケおやじの生活と音楽

大友裕子は演歌ロックか!?

2017-02-26 16:14:08 | 日本のロック
傷心 / 大友裕子 (東芝)
 

大友裕子というロックシンガーを覚えていらっしゃるでしょうか?
 
昭和53(1978)年からの4年ほどの活動期間中には、失礼ながら大きなブレイクは無かったんですが、アルバムもベスト盤を入れれば3~4枚、シングル盤はサイケおやじが極力集めた限りでも9枚は残していますから、当時も今も、根強いファンは確かに存在しています。

また、現在では葛城ユキが昭和58(1983)年に大ヒットさせた歌謡ロックの人気曲「ボヘミアン」のオリジネーターという認識で有名かもしれませんが、それからもご存じのとおり、大友裕子はハスキーでソウルフルな声質と何を歌っても所謂ロック魂を感じさせてくれる歌手だった!

と、サイケおやじは思っていますが、「だった」と書いたのも、彼女は既に引退して久しく……。

しかし、一度でも彼女の歌にシビレたら、事ある度にレコードを取り出し、針を落として聴き入りたいと希求する気持ちに嘘が無くなりますよ。

さて、そこで本日掲載したのは昭和53(1978)年末に発売された自作自演のデビュー曲「傷心」をA面に入れたシングル盤で、これまた失礼ながら、ジャケ写からは決してフォトジェニックとは申せませんが、そんなの関係ねぇ~~~!

つまり彼女の場合は歌の説得力が半端じゃ~なくて、ライブステージにおけるスケールの大きさ、佇まいの強さは、殊更タイバンや他の出演者をも圧倒した伝説が幾つか残されているほどですし、そのあたりはテレビ出演時も変わりなかったと思いますが、個人的には昭和54(1979)年のネムフェスにおけるライブは実演を目の当たりに出来た幸運も重なり、強い印象を刻み込まれましたですよ♪♪~♪

で、肝心の「傷心」なんですが、小野崎孝輔の重厚で思わせぶりなアレンジもジャストミートの失恋バラードながら、決して甘ったれた悄然さよりは、凄絶な心情の吐露が大友裕子の泣き節ソウルによって歌われていて、時には「巻き舌」の節回しにも必然が感じられるところです。

そのあたりは、例えば内藤康子や葛城ユキ、また同系のボーカリストにも魅力のひとつとして認められるわけですが、大友裕子の場合は、それが演歌及び歌謡ロックのどちらにも傾かず、普通(?)にロックしているようにサイケおやじには感じられ、大きな魅力になっています。

また、その演目持ちネタの数々は自作・提供曲の別を問わず、暗いムードや内向きな情念の横溢が強く表出したものが多く、今となってはネクラとかいう先入観もございましょうが、そこは前述したとおり、彼女持ち前のロック魂があればこそっ!

歌の上手さ、芯の強い表現力は言うまでもありませんし、数曲を続けて聴いたとしても、うちひしがれるが如き悪寒は無いと思うんですが、流石にそこは十人十色の好き嫌いでしょうか……。

そしてサイケおやじが、今もちょっぴり残念に思っているのは、ここまで歌える大友裕子には、下世話な正統派歌謡曲も出して欲しかったという自己矛盾的希望です。

それが演歌ロックと呼ばれるジャンルであろうとも、きっと大友裕子には相性の良い仕上がりになったと想像する次第です。

ということで、昭和も50年代後半に入ると、「ネクラ」という文化(?)が堂々と表面化し、あえてそれを売り物にしていた歌手や芸能人も珍しくはなかった時代ですから、大友裕子もそんなイメージで括られていた事は否定出来ません。

実際、サイケおやじの周辺にも、それゆえに聞かず嫌いという者が少なからず……。

しかし、繰り返しますが、内藤康子や葛城ユキ、そして中島みゆきや浅川マキあたりが好きで、大友裕子がNGというのは、些か勿体ないですよ。

もちろん好き嫌いは大切にするべきですが、機会があれば虚心坦懐に接する「何か」だって、大切なんじゃ~なかろうか……。

しかし、当然ながら人一倍に独断と偏見が強いサイケおやじの、これまた強烈な自己矛盾と指摘されれば、全くそのとおりと身を縮めるばかりであります。
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大友裕子 ホット・ジャム'79インつま恋 1979 07 28 (大友裕子 ホット・ジャム'79インつま恋 1979 07 28 )
2017-08-15 01:22:39
大友裕子 ホット・ジャム'79インつま恋 1979 07 28
01. 静かにしずかに
02. 死顔
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