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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

由美恵の潮風望郷歌

2022-06-13 19:25:25 | 歌謡曲

潮風の吹く町 / 森田由美恵 (東芝)

兎角「華やかさ」、時には「あざとさ」が必須とされる女の子アイドルの世界では、だからこそ、ひっそりと咲いた花一凛みたいな歌手が忘れられないという皆様も大勢いらっしゃるんじゃ~ないでしょうか。

少なくとも、サイケおやじは、そ~ですので、そんな中から本日ご紹介するのが森田由美恵です。

彼女が活動していた時期は昭和40年代後半、特に昭和47(1972)年前後にはテレビ出演も多かった記憶がありますし、作詞:なかにし礼&作曲:浜圭介、そして編曲:山本幸三郎が手掛けた本日掲載のシングル盤A面曲「潮風が吹く町」は、その楽曲の素晴らしさに相応しい森田由美恵の見事な歌唱力があればこそ、これが見事にヒット♪♪~♪

曲調としてはミディアムテンポの歌謡フォーク系演歌であり、マイナー調のメロディ展開と寂寥感が滲みまくった望郷の心象風景が、ソフトで芯の強い彼女のボーカルで披露される時、リスナーは我知らず、その歌謡世界に引き込まれ、胸キュン以上、絶望未満のせつない感情に満たされてしまう事、請け合いです。

しかも、ジャケ写から一目瞭然、どこか儚げな彼女の佇まいにジャストミートのイメージがある事は、言わずもがなでありましょう。

確か、この時の森田由美恵は高校生だったと云われているんですが、時代は真理ちゃんシンシア、そしてルミ子の全盛期であり、そんな三人娘に続けとばかりに「華やかさ」ばかりを前面に出しまくったアイドルが登場しては消えていった頃でしたので、彼女も何時しかフェードアウトしてしまったのは、現実の厳しさ……。

しかし、この名曲にして名唱は決して忘れられていないはずですし、楽曲そのものも後に北原ミレイがカバーバージョンをレコーディングしているほどですから、尚更でしょう (^^)

もちろん、どちらが好きかという問題は十人十色ではありますが、サイケおやじは森田由美恵のオリジナルバージョンが大好きです (^^)

この初々しくも、既に人生の淵を歩んでしまった雰囲気の節回しが、たまらないんですねぇ~~ (^^)

失礼ながら、北原ミレイだと、それが普通っぽく聞こえてしまうんですが、そんなこんなも楽曲の味わいに、今や彼女の代名詞ともなっている「ざんげの値打ちもない」や「石狩挽歌」のムードが漂っているからかもしれません (^^;

ということで、当時としては抜群に歌が上手かった森田由美恵は、一説によると裏方のボイストレーナーに転身されたという情報もあり、もしかしたらスタジオシンガーとしての仕事もされていたかもしれませんが、何れにせよ、アイドル歌手時代に残した音源は絶対に集成されるべきと、強く思っている次第です。

現在「シティポップ」と称される往年のニューミュージック系楽曲の再発見も歓迎するところではありますが、もうひとつ、歌謡曲保守本流の名曲、そして名唱も掘り下げられる事を願っているのでした。