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サイケおやじの生活と音楽

この人だぁ~れ part-86:河野幸子~そして猪俣公章の再評価を

2022-06-01 17:50:50 | 歌謡曲

大阪・涙・おんな町 / 河野幸子 (日本コロムビア)

猪俣公章は説明不要、我が国歌謡界に偉大なる足跡を残した天才作曲家という位置付けは、皆様にとっても異論は無いはずと思うんですが、その存在があまりにも大きいが故に先入観と申しましょうか、作風がド演歌一本道の如く認識されているのは、いかがなものでしょう。

もちろん、発表して来たヒット曲には所謂盛り場&港町演歌、あるいはド根性怨歌が多い事は確かですが、だからと言って、それらは決して泥臭いものじゃ~なくて、むしろ粋なコード進行や洋楽スタイルのメロディ展開を「さり気なく」用いる作風が持ち味だったと思っています。

それは例えば、河野幸子のと名乗る、サイケおやじにとっては完全なる「この人」シリーズの歌手が昭和47(1972)年に出した本日掲載のシングル盤にも聴かれるスタイルで、とにかく作詞:石本美由起&作曲:猪俣公章という、歌謡曲保守本流の大御所が制作クレジットに名を連ねたA面曲「大阪・涙・おんな町」には、クリビツテンギョ~~!?!

いきなりイントロから欧州ポップス系の女性コーラスにモロなジャズスタイルで演歌メロディを奏でるギター、そしてストリングスの色っぽさに導かれて歌い出す河野幸子のボーカルはソフトな声質による情念の節回しと申しましょうか、このあたりは竹村次郎の編曲がイイ仕事の証明でもありますが、なんとなく、あの「ズンドコ節」と似て非なるメロディ展開の妙もあり、ミディアムテンポの曲の流れは、これぞっ!

猪俣公章の十八番とも言える、堂々の盛り場演歌になっているのは、曲タイトルに偽り無しのご当地ソングでもありますねぇ~~♪

正直、こんなにオシャレな雰囲気がレコードに刻まれていたなんて、ジャケ写だけじゃ~、思いもよらない収穫でありました (^^)

もちろん、ゲットしたのは昭和60年代初頭、中古屋の捨て値コーナーに置いてあったブツの1枚でしたから、当時はマニア的な視点からも、それほど評価されていなかったんでしょうが、だからこそ、埋もれさせておくには勿体無いと思っています。

ということで、冒頭に述べたとおり、猪俣公章は平成5(1983)年、確か50代半ばで早世されてしまったので、昭和歌謡曲が再評価された時期でありながら、ちょいとアンタッチャブルな存在にされてしまったのかもしれません。

しかし、あの粘っこくて、熱の入ったメロディラインはカラオケに親しみ始めたお若い歌謡曲愛好家にもウケているらしく、中古盤市場での人気も高まっているらしいですよ (^^)

願わくば、筒美京平の様な評価が望まるところですねぇ~~ (^^)

コメント
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