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サイケおやじの生活と音楽

追悼・すぎやまこういち:朝比奈マリアを聴きながら

2021-10-09 17:46:49 | 追悼

ディスコ・ギャル / 朝比奈マリア (alfa)

故・すぎやまこういちの才能のひとつとして、サイケおやじが常々感じていたのは、流行最先端を大衆に馴染ませてしまう、その度量の大きさというか、ある意味じゃ~融通が利き過ぎるので、それをダサイと決めつけられる場合すらあるほどなんですが、市井の一般人にとっての「流行」は、決して「最先端」よりは、本当に巷に流行ってから意識させられるものという実状に鑑み、「ちょい遅れ」ぐらいを意図的に狙っていたのが、故人ならではの職人技(?)だったんじゃ~ないでしょうか。

初っ端から、そんな屁理屈を書き連ねてしまったのは、昭和54(1979)年に発売された、これが待望されていた朝比奈マリアの本格的な歌手デビュー作となるシングル盤でして、そのA面曲「ディスコ・ギャル」こそが作詞:山上路夫&作曲:すぎやまこういち!

というヒットメーカーのクレジットも眩しい、本格的なディスコ歌謡だったんですが、しかし……、その曲タイトルが「ディスコ」と「ギャル」という、リアルタイムじゃ~、聊か時代遅れ気味の単語であり、サウンド作りそのものも、アレンジがすぎやまこういち&ハービー・メイソンという共同作業と記されていますから、そりゃ~~、期待を裏切るものではありませんが……。

それでもアップテンポのリズム&ビートの感覚が、繰り返しますが、ちょいと当時の洋楽最先端からすれば、古さに傾いている気がしたものですし、朝比奈マリアの歌いっぷりもイマイチ、サイケおやじの感性に訴えるものがありませんでした……。

もちろん、彼女は雪村いづみの愛娘ですから、基本的な素質には問題がありませんので、普通に聞けば、なかなかイケているのは確かですし、良く知られているとおり、バックコーラスには山下達郎と吉田美奈子の参加が絶大な魅力として、今に伝えられる「お宝」になっているとはいえ、結局は期待し過ぎたサイケおやじの独断と偏見でありました (^^;

ちなみに同時期には、当然ながら、アルバムも制作されており、そのLP「MARIA」はピクチャーディスクだったという豪華盤♪♪~♪

おまけにというには、あまりにも失礼千万な演奏メンバーには坂本龍一(key)、細野晴臣(b)、高橋幸宏(ds) というYMO勢の参加もありますし、この「ディスコ・ギャル」のアレンジに参画しているハービー・メイソンは説明不要、アメリカではソウル~フュージョン界の達人ドラマーとして活躍するばかりか、自己名義のセッションではAORなボーカルまでも披露する人気者でしたから、このレコーディングセッションにおいても、なかなかの仕事をやっていたと思います。

そして、個人的には聊かの肩透かしを引かれたと感じた仕上がりにしても、実はラジオ等々から流れてくれば、瞬時に耳を奪われてしまう大衆性オシャレ感度の高さに感服させられるほどだったんですねぇ~、これが (^^♪

いゃ~~、自分の思いあがった浅はかさには自己嫌悪という有様でした <(_ _)>

そして、これこそが、つまりは故・すぎやまこういちのストレートなマジックだったんだなぁ~~~、と今般の訃報に接して、サイケおやじは痛烈に再認識させられた次第です。

ということで、朝比奈マリアには厳しい事も書いてしまいましたが、やっぱり昭和の芸能界に咲いた華であったという真実はひとつ!

美しいものに惹かれる素直さも、まだまだサイケおやじには残っている!

と、自分に言い聞かせているのでした (^^;

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