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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

コンクリート・ジャングルに生きる

2020-01-14 18:08:22 | 歌謡曲

コンクリート・ジャングル / 桜木健一 (キャニオン)

掲載したのは昭和46(1971)年からTBS系列に放送されていた刑事ドラマ「刑事くん」の主題歌「コンクリート・ジャングル」をA面に入れたシングル盤で、もちろん歌っているのは件のドラマの主役・三神鉄男を演じた桜木健一です。

ご存知のとおり、桜木健一は児童劇団から主に東映作品の脇役出演を経て、あの大ヒットしたテレビドラマ「柔道一直線」の主人公・一条直也を熱演して大ブレイク!

ドラマの内容共々、今も元祖スポ根の熱血男として印象の強い名優ですが、もうひとつ、絶対に忘れられないのが、「柔道一直線」終了後にスタートした「刑事くん」でした。

それはタイトルどおり、桜木健一が新米刑事として人間味溢れる活躍を描いたドラマではありますが、その毎回が決してストレートな勧善懲悪ではなく、様々な社会の不条理の中で時には空回りしつつ、大ポカをやらかして上司から訓戒謹慎等々、現実の厳しさを真正面から描いていましたから、これまた大ヒット!

実際、ど~してここまで暗い物語が展開されるのかっ!?

と思わずにはいられないほど、救いの無いエピソードが毎週繰り広げられながら、しかし、そこで奮闘する三神釟男=桜木健一の姿が大いなる共感を呼んだのです。

それは前述「柔道一直線」で桜木健一のファンになったサイケおやじを含む少年少女達にとっては、大人の世界への入り口であったわけで、だからこそ、佐々木守が作詞した主題歌「コンクリート・ジャングル」の歌詞の意味合いが、それなりに後々まで心の拠り所になっている皆様も、きっといらっしゃるはずと思っています。

また、鈴木邦彦が附したメロディの泣き節フィーリングを正統派歌謡曲に繋ぎ止める高田弘のアレンジに乗った桜木健一の歌唱力も、なかなかに秀逸!

正直、演歌系の節回しではありますが、それがドラマの内容とジャストミートする雰囲気を伝えていると思います。

さて、実は昨日書いた恩人の訃報について、その故人こそ、サイケおやじが実社会へ出た時、最初に仕事の諸々、実践的な方法を仕込んでくれた、本当に今に繋がる自分の立場の礎を支えてくれた先輩であり、何かの宴会等々で十八番にしていたのが、この「コンクリート・ジャングル」でした。

しかし、当時はカラオケが普及し始めた頃でしたから、「コンクリート・ジャングル」のトラックは無く、そこで学生時代にバンドをやっていた事がバレていたサイケおやじがギターで伴奏を仰せつかる事も度々でした。

そして既に耳に馴染んでいた歌ではありましたが、中古で掲載の私有盤を入手し、伴奏の要領を練習していたという、深い思い出があります。

以前にも書きましたが、サイケおやじは所謂就活らしきものをしなかったというか、学生時代のバイトの延長で今の仕事に就いたもんですから、業務内容は分かっているつもりだったんですが、やはり実社会での現場ではマゴマゴと下手を打つ事ばかり……。

そんな時、厳しくも温かく指導してくれた故人が、その後で飲みに連れて行ってくれる店でも、「コンクリート・ジャングル」が定番でした。

  こんな小さな 命だけれど
  賭けてさすらう コンクリート・ジャングル
  ほこりまみれの 巷の風が
  いつかなじんで なつかしい

  俺も人の子 涙はあれど
  泣いちゃならない 刑事くん

この最後の「刑事くん」というところを自分達の仕事に置き換えて、●■▼と歌うのがキメだったんです。

あぁ……、こ~して書いていても、故人の歌声が蘇ってきて、ちょっぴりウルっとします。

ちなみにテレビバージョンとシングル盤収録のテイクは当然ながら異なり、前者では歌詞が二番しか聞かれませんが、後者では三番まであります。

それゆえに故人はノリが良いと三番まで勝手な替え歌をやってくれましたですねぇ~~~。

心から…、感謝、そしてご冥福を……。

合掌。

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