OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

皆が知ってる風船ガム

2014-09-10 15:03:40 | Pops

フルーツガム・カンパニーのテーマ c/w Bubble Gum World
            / 1910 Fruitgum Company
(Budda / 日本コロムビア)

今週から仕事がらみで所謂ファミリーアニメを幾つか鑑賞しているんですが、その中のひとつ「サザエさん」のラストテーマ「サザエさん一家」が本日掲載のシングル盤B面曲「Bubble Gum World」のパクリである事は、今や有名な事実でしょう。

しかし演じている1910フルーツガム・カンパニーが現役として、この日本独自のシングル盤を出した昭和46(1971)年春はもちろん、同曲が実はそれ以前の同グループデビュー期だった1968年に作られた1stアルバムにひっそりと収録されていた事からして、「サザエさん一家」を書いた筒美京平の着眼の見事さ、そしてあえてアニメ「サザエさん」の人気が定着していた時期に添え物ながらもシングルカットしたレコード会社の稚気には、思わずニンマリ♪♪~♪

つまり、当時は殊更我が国では、1910フルーツガム・カンパニーは決してガチガチのロックファンを納得させるような存在では無く、普通のポップスグループとして、あくまでもラジオ向けの耳に心地良く、サッと覚えて、それっきりみたいな扱いでしたからねぇ~~。

一応は国内盤も出ていた彼等のLPなんて、経済的な問題も含めて、しっかり聴いていた洋楽ファンは特に十代では、どれほど?

というような真相があったと思うんですよ、実際。

もちろんサイケおやじが、「サザエさん一家」≒「Bubble Gum World」という近似値に気がついたのは三十代になって、音楽産業的な視点からバブルガムサウンドに目覚めて以降、1910フルーツガム・カンパニーのレコードを本気で集め出してからです。

ちなみにテレビアニメ「サザエさん」の放映開始が昭和44(1969)年秋ですから、当初から使われていたエンディングテーマの「サザエさん一家」が作られたのは、その準備期間であったと思われます。

ご存じのとおり、1910フルーツガム・カンパニーはジェリー・カセネッツとジェフ・カッツという優れた2人のプロデューサーが黒幕となった楽曲優先の実体の無いグループであり、それゆえに練り上げられた売れる戦略は一般的な洋楽リスナーには軽く扱われようとも、業界は実績重視ですから、その分野の英才である筒美京平の思惑を侮る事は出来ないでしょう。

むしろリアルタイムの日本では、ほとんど無視されていた1910フルーツガム・カンパニーのアルバムを聴き、その要点を研究していたであろう筒美京平の感覚の鋭さに敬服するのみです。

ということで、最後になりましたが、実はA面曲「フルーツガム・カンパニーのテーマ / 1910 Cotton Candy Castle」も、本国アメリカでは既に1969年に出していたLP「インデアン・ギヴァー」に収録されていた、これがなかなかのお気楽ソング♪♪~♪

それがど~して、1971年の日本でシングル盤になったのかは、例によってサイケおやじの独断と偏見による当て推量ではありますが、同年夏の初来日決定による相互プロモーションだったのかもしれません。

そして今や伝説となったピンク・フロイドの箱根における野外公演の前座として、とことん物分かりの良いサウンドが持ち味の彼等が、どんなライブギグを披露したのかっ!?

既に述べたとおり、実体の無いグループとしてスタートした1910フルーツガム・カンパニーは、レコードを発売する度に表立ったメンバーが4~6人組に変動していましたし、1969年に入ると、例えば「The Train」のようなニューロック的なサウンドを入れたヒット曲も出していましたからねぇ~♪

タイムマシンは全ての人類が望むものだとしたら、サイケおやじは行ってみたい時空のベスト50には、必ずや選んでしまうでしょう。

もちろんそこで「Bubble Gum World」をやっていたら!?

そう思うだけで、ニンマリしてしまうのでした。

コメント (4)
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