OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジョン・レノンのあの日、あの時…

2011-11-16 15:47:53 | Beatles

Lennonyc / ジョン・レノン、ニューヨーク (A&E / キング = DVD)

誰しも、そう長くない人生の日常は楽しいほうが良いに決まっているでしょうが、人はまた、誰しもが目を背けることが出来ない、避けて通れない悲しみや辛い出来事を通過しつつ、生きていくのだと思います。

それはサイケおやじにとって、例えばジョン・レノンの突然の悲報にしても、あの日、あの時から、毎年この季節になると尚更に拭いきれない気持が高まるのですが、そんなところへ本日ご紹介の映像作品が出たとあっては、端坐して鑑賞する他はありません。

タイトルどおり、ジョンの魂が蘇り、置き去りにされた街のニューヨークをメインの舞台に編集された後半生のドキュメント映像で、もちろんヨーコの全面協力と関係者の鋭意努力によって、これは生々しくも鮮やかな悲喜こもごもの記録!?

というか、そうした制作者側の企画以上に、サイケおやじは鑑賞後の湧き上がる感慨に逆説的な虚脱を感じるほどでした。

もちろん1971年9月~1980年12月までの間にジョン本人から発せられたインタビューでの言葉、あるいはヨーコやジャック・ダグラス、エルトン・ジョン等々の関係者への取材や証言は上手く纏められていますが、虚実も含めて、なにかリアルすぎて怖い感じは否めません。

なにしろ悲劇的な最期を我々は知っているだけに、そうした辛辣な現実を必要以上に意識させんとしたプロデュースは如何なものでしょうか……。

ただし驚愕せずにはいられない未発表の映像と音源の数々は、やはり圧巻!

そういうものから、絶対に逃げてはならないでしょう。

少なくともサイケおやじは、これまでジョンの歌や演奏や言葉から、どれだけの勇気と慰めを与えられたか!? またドロドロしたものまでも真摯な生き様としていたに違いないジョンの人間的なところは、その弱さも含めて、良くも悪くも凄いと思う他はありません。

リアルタイムでジョンと一緒に生きた皆様も、またジョンが生きた時代を体験されなかった皆様も、これは今だからこそ鑑賞していただきたい作品です。

世界的な不況と停滞、貧困や内乱や大災害に直面し続ける現代において、もしもジョンが生きていたら、こんな時にどんな言葉を発するだろう……。

そうした繰り言は、もう止めようと何度も思ってきたサイケおやじは、不覚にもこのDVDを鑑賞しつつ、落涙してしまいました。

街はすっかりクリスマス気分で、そこには故人の歌う「Happy Xmas」が流れてきたりもしますが、それを流す者をサイケおやじは信用しません。

そして今こそ、「ジョン・レノン、ニューヨーク」を観ましょうよっ!

もう、あの日が近づくにつれ、それは出来なくなるのですから……。

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